「隣の芝生は青い」ということわざがあります。他者が持っているものが、なんでも良く見えてしまう感情です。「もの」と書きましたが、「誰かの彼氏」や「誰かのダンナさん」も該当します。人サマの彼氏やダンナさんを盗りたがる女性は、一体どういうつもりなのでしょうか。
『カーマ・スートラ/愛の教科書』という、インド映画をご存知でしょうか。召使いのマヤが着ている洋服は、常に令嬢タラの「お古」です。年頃になったタラは、王様に嫁ぐことが決まりました。マヤは、王様を誘惑すべく、王様の寝床に潜り込みます。そして結婚式当日、マヤは、タラに向かってこう言い放つのです。「私の洋服はずっとあなたのお古でした。でもあなたの夫は私のお古ですよ」。
マヤの意識が、王様ではなく、タラへ向けられているのと一緒です。あなたの彼氏にちょっかいを出そうとする女性も、あなたに対して何か思うことがあるのでしょう。あなたの彼氏に対して、純粋な恋愛感情を抱いているわけではないのです。
そういったタイプの女性に共通して言えるのが、悩んだり泣いたりするのが、なんだかんだでお好きなご様子。例えに出すには適切ではないかもしれませんが、自傷行為を繰り返す人は、痛みから「生きている実感」を得ているといいます。三角関係に興奮する女性も、悩んだり泣いたりすることで、「恋愛している実感」を得ているのかもしれませんね。
劣等感の強さゆえ、「ステディなパートナー不在なのは、好きな男性が振り向いてくれないため」という片想い状況では納得ができないのです。片想いをしている自分を惨めと感じてしまうのでしょう。そういうタイプの女性にとって、カノジョ持ちや妻子持ちの男性は超・好都合な存在。「もっと早くに出会っていれば……」という、大義名分が立つからです。
あなたの彼氏に忍び寄る魔の手……さぞ目障りなことでしょう。ですが、あなたと彼氏とのあいだに、確固たる安定感があれば、ちゃんちゃら平気なはず! 略奪女の存在は華麗にスルーしましょう。