そうだったのか!日本に老舗企業が多く、中国には少ない理由 | ニコニコニュース

そうだったのか!日本に老舗企業が多く、中国には少ない理由
サーチナ

 日本には創業から100年を超える企業が数多く存在する。東京商工リサーチが2012年8月に発表したデータによれば、日本には創業100年超の老舗企業は当時、2万7441社も存在した。

 市場経済が導入されてから日が浅いという背景もあるが、中国は老舗企業の数は非常に少ない。また、近年は競争が激化していることから中国の中小企業の「平均寿命」はわずか2.5年にとどまるという。

 日本に老舗企業が多いのと対象的に、中国企業の寿命が短いのはなぜなのだろうか。中国メディアの快科技は「日本にはなぜ創業100年を超える企業が数多く存在するのか」と題し、日本の老舗企業が荒波をくぐり抜けてきた秘訣を紹介した。

 記事はある造船メーカーに注目し、不景気などの苦境のなかでも生き残る秘訣について「備戦備荒(戦争と飢餓に備える)」であると紹介。「国際市場のいかなる変化にも注意と警戒を怠らず、さらに先を見通す」ことの大切さを強調。そして、企業理念として「匠の精神」を挙げ、目先の安易な利益を求めず、誠実に高い技術を維持してきたと紹介している。中国ではある程度事業に成功すると、儲けの出そうな別事業を始め、投資で儲けようとする企業が多く、1つのことを突き詰める企業が少ないように見える。

 さらに1件の寿司屋を例に、日本の「家業を継ぐ」という習慣を紹介。中国では日本と異なり、子どもが親の仕事を継ぐことは「情けない、頼りない」と捉えられる傾向がある。日本では親が真剣に仕事に取り組む姿を子どもが誇りに思い、後を継ぎたいと考えるものだが、中国ではそうではないようだ。これにはいくつかの理由が考えられるが、中国では「職人」が重んじられていないことや、自分の子どもを親に預けて出稼ぎに行く人が多いことも原因ではないだろうか。

 記事は「日本には創業から100年を超える企業が2万社以上も存在するが、なぜ中国はたった数社しかないのか」と疑問を呈しつつ、その理由として、日本の老舗企業の跡取りたちは皆、家業の歴史と技術を誇りに感じているからであると説明した。そして、中国人は「落ち着きがない」ので100年以上続くような企業が生まれるのは難しいと結論付けた。

 中国人は往々にして「中国には5000年の歴史」があると、自国の雄大な歴史を誇るが、企業に歴史がないのは何とも寂しいことである。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)