行定勲監督をはじめ、橋本愛、高良健吾ら熊本県出身者が参加した中編映画『うつくしいひと』が、4月22日までの期間限定で公式HPにて無料配信されている。行定監督が映画祭ディレクターを務め、熊本県菊池市で開催する「菊池映画祭2016」(3月4日~6日)でオープニング上映したところ全国から問い合わせが殺到したため、急きょ公開に踏み切ったという。
【4月22日まで本編配信中】くまもと映画製作実行委員会公式サイト
同作は、行定監督が所属する映像レーベル「セカンドサイト」、熊本市、菊池市、山都町、阿蘇市などで構成する「くまもと映画製作実行委員会」が製作。熊本の魅力を、映像を通して県内外に発信しようと熊本出身の俳優・著名人が集結し、熊本弁のセリフに、ロケも熊本城や阿蘇の草千里、江戸時代に建造された水路橋「通潤橋」など名所・旧跡で行うなど徹底的に熊本にこだわったご当地映画だ。
そこで繰り広げられるのが、久々に故郷を訪れた映画監督と、彼のロケハンに同行することになったヒロイン・透子のプチ旅行を通して、淡く切ない恋の思い出を辿るという、行定監督らしいノスタルジックな物語。東京大学名誉教授という経歴を持つ、熊本県立劇場理事長兼館長の姜尚中が映画監督役で銀幕デビューを果たし、熊本県の営業部長兼しあわせ部長のくまモンも出演と話題も豊富な内容となっている。
3月4日の国指定重要文化材の芝居小屋「八千代座」(熊本県山鹿市)で行われたプレミア上映には行定監督をはじめ橋本や高良たちも駆けつけ、会場は満席となる熱狂ぶりだったという。今後も「より多くの人に見てほしい」という行定監督ら製作スタッフの意向から、東京での特別上映会、国内外の映画祭への出品、さらに熊本市内の映画館上映などを検討中だ。(中山治美)
『うつくしいひと』は4月22日まで公式サイトで無料配信中