恋人に恋愛歴を聞かれたら、あなたはなんて答えるだろうか? 例えば「今まで何人の人と付き合った?」「元恋人はどういう人だったの?」という質問が、まさにそれである。恋をすると、こうした好奇心に駆られることは少なくない。人によっては、つい我慢できず聞いてしまう人もいれば、「ふたりの関係が悪くなったら嫌だから」と聞かずにいる人もいるだろう。今回はそんな恋人の恋愛歴を聞く人の心理について、心理学者の内藤誼人先生にお聞きしたのでご紹介したい。
■聞きたがるのは、それだけ好きな証拠?
まず恋人の過去の恋愛歴や、別れた理由を事細かに聞きたがる人の心理とは、どういったものだろうか?
「好きであればあるほど、その人のすべてを知りたいと思うじゃないですか。ですから、それだけ熱心に聞きたがるということは、それだけ本気度が高いということです。逆に、過去のことを何にも聞いてこないのは、それだけあなたに興味がない、つまり本気ではない、ということでもあります」(内藤先生)
なるほど。よく好きな人に「●●はどんな食べ物が好き?」「●●って血液型、何型?」と聞くのも、それだけ相手に興味があるからだろう。恋人の恋愛歴、別れた理由を聞きたいと思うのも、それとまったく同じ心理と言うわけである。
■自信の無さから聞いてしまう恐れも
実際、「これは聞いちゃ悪いよね……」と分かっていても、元恋人への嫉妬心で、つい聞きたくなってしまう人は多いのでは?
だが、あまりに事細かに聞いてしまっては、相手が困ってしまうだろう。こうしたタイプは、一体どういう気質の人なのだろうか……?
「自分に対して自信がない人でしょうね。自分に自信がないものだから、不安を感じやすく、それゆえ相手のことを何でも知りたい、知ることによって何らかの対策を講じられるのなら、そうしたいと思うのではないでしょうか」(内藤先生)
ちょっと見方を変えてみると、相手との信頼がまだまだ築けていない可能性もあるかもしれない。相手との関係が十分であれば、「今更こんなこと聞いても仕方ないよね」と、気持ちをうまくセーブできそうである。
そのため、「恋人の恋愛歴が知りたい」と思った時は、単なる自分のエゴではないか。状況に応じ、ふたりの関係を見直すことも大事になってくるかもしれない。
■聞かれたことは正直に話すべき?
ちなみに事細かに相手から聞かれたとして、正直にすべて答えた方がいいのだろうか?
「いえ、必要ありません。むしろ、自分にとって都合の悪いことは隠すべきです。正直になりすぎることは、むしろ人間関係を破局に向かわせます。オランダにあるユトレヒト大学のキャトリン・フィンケナウアーの調査では、20年以上も連れ添ったカップルでは、62%の人は、昔の秘密を話すことは有益というより、むしろ有害だと感じているそうなので」(内藤先生)
どこまで正直に話した方がいいのかは、なかなか判断が難しいところだ。恋愛歴にもよるが、その事実を話したところで、相手はあなたの見る目が変わってしまうかもしれない。
とはいえ、これも恋愛の醍醐味のひとつである。こうした気持ちをきっかけに、ふたりの関係がもっと深まれば……と願うばかりであるが、あなたの意見はいかがだろうか?
「教えて!goo」では「恋人や家族から、元彼や元彼女について聞かれたことは?」と意見を募集中だ。
●専門家プロフィール:内藤 誼人
柚木深つばさ(Yukimi Tsubasa)