政府・与党は、待機児童の解消に向けた緊急対策を週明けにも策定する。保育士の待遇改善や小規模保育施設の定員拡大などが柱となる見通しだ。待機児童対策は「保育園落ちた」との匿名ブログをきっかけに、夏の参院選の主要な争点に浮上しており、政府・与党は具体策づくりを急ぐ。
安倍晋三首相は24日、塩崎恭久厚生労働相、加藤勝信1億総活躍担当相と首相官邸で協議し、「保育園を探している皆さんの声に応えてほしい」と述べ、早急な対策取りまとめを指示した。
緊急対策は、保育現場の人手不足を解決するため、保育士の給与引き上げを軸に検討している。保育士の平均月収は約22万円。公明党は24日まとめた緊急提言で人事院勧告の引き上げ分を含め約4%の増額を求めている。政府・与党では、配置する保育士数の基準を緩和し、保育施設がより多くの子供を受け入れ可能とする案も出ている。
待機児童問題は首都圏や都市部に集中している。新たな用地や物件の確保が難しいからだ。このため、上限が19人となっている小規模保育施設の定員拡大も検討。このほか、事業所内保育施設の積極活用や、保育園を探す保護者の相談を受ける「保育コンシェルジュ」制度の導入も緊急対策に盛り込まれる方向だ。