【ベルリン時事】ボスニア・ヘルツェゴビナ内戦(1992〜95年)時のジェノサイド(集団虐殺)などの罪に問われた元セルビア人勢力指導者、ラドバン・カラジッチ被告(70)の判決公判が24日、オランダ・ハーグの旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷で開かれ、被告に禁錮40年が言い渡された。戦闘終結から20年以上を経て、ようやく大物戦犯に司法の判断が下された。

 AFP通信によると、被告は判決を不服として上訴する方針。

 カラジッチ被告は、95年7月にイスラム教徒ら7000人以上が犠牲になった東部スレブレニツァでの虐殺などにより、ジェノサイドや人道に対する罪に関する11の罪状で起訴された。審理は2009年10月に開始。被告は最高で終身刑を科される可能性があったが、平和を希求していたなどとして無罪を訴えていた。

 判決は、最も深刻とされたスレブレニツァでのジェノサイドなど大半の罪状で有罪とする一方、同地以外でのジェノサイドについては証拠不十分として被告の責任を認定しなかった。ザイド・フセイン国連人権高等弁務官は、声明で「判決は説明責任を断固求め続ける国際社会の姿勢を強く示すものだ」と歓迎した。