首都で大規模捜索=新たに3人拘束、全容解明に努力―米長官がブリュッセル入り | ニコニコニュース

 【ブリュッセル時事】ベルギーの首都ブリュッセルを22日に襲った同時テロに絡み、検察当局は25日、新たに3人を拘束したと発表した。うち1人は、ブリュッセルのスカールベーク地区で同日午後に行われた警察の特殊部隊などによる大規模な捜索で銃撃を受け捕まった。このほか捜査当局は24日夜に6人を拘束したが、この中には、22日のテロの容疑者もいる可能性がある。事態が一層複雑化する中、捜査当局は引き続き全容解明に向けた努力を続けている。

 ベルギーのメディアによれば、25日の捜索では爆発音も聞かれた。男はバックパックを背負って家屋から出ようとし、警官の制止を拒否、拘束の際に足を負傷した。周辺一帯は封鎖され、重装備の武装警官や軍のトラックのほか、爆発物処理部隊も出動。AFP通信は仏警察筋の話として、この作戦はパリで24日逮捕されたテロ容疑者と関連したものと報じたが、ブリュッセルの事件と関係しているとの情報もある。

 検察当局は24日夜、ブリュッセルのスカールベーク地区などでの家宅捜索で6人を拘束。ロイター通信は、24日に拘束されたうちの1人は、22日の地下鉄駅で自爆した男と一緒に防犯カメラに写っていて、行方が分からないもう1人の共犯容疑者である「強い疑いがある」との捜査当局者の見方を伝えた。

 ドイツのメディアによると、独国内でもベルギーのテロ関係者とみられる男らが23日から24日にかけて逮捕されており、犯行組織がドイツにも広がっていた可能性が出ている。

 このほか、複数の地元紙は25日、欧州の治安機関のリストに載っているシリア人のナイム・ハメド容疑者(28)が今回のテロに関与した疑いがあると報道。ブリュッセルでのテロで、どのような役割を演じたかは不明だが「非常に危険で、武装しているようだ」と伝えられている。

 一方、モスクワを訪問していたケリー米国務長官は25日、ブリュッセル入りし、レインデルス外相、ミシェル首相らと相次ぎ会談。ツイッターを通じ「(犠牲者に)心からの哀悼の意を表明する」と発信した。首相との会談後の共同記者会見では「私はブリュッセル市民だ」と宣言してベルギーや欧州との連帯を表明した。