川崎市幸区の有料老人ホーム「Sアミーユ川崎幸町」で入所者3人が相次ぎ転落死した事件で、神奈川県警は25日、2014年12月の3件目の女性転落死について、殺人容疑で元介護職員今井隼人容疑者(23)を再逮捕した。容疑について黙秘しているという。
逮捕容疑は同月31日午前1時10分〜2時5分ごろ、入所者の浅見布子さん=当時(96)=を6階ベランダから裏庭に投げ落とし、出血性ショックなどで殺害した疑い。
県警によると、浅見さんは自室の609号室ではなく、601号室のベランダから転落していた。県警は当直勤務中の今井容疑者が浅見さんを居室から連れ出し、廊下から別の入所者が寝ていた601号室を通り抜け、ベランダに誘導したとみている。
今井容疑者は最初の逮捕後、3人全員の殺害への関与を認め、事件の状況も一部述べていたが、その後黙秘に転じた。捜査関係者によると、当初は3人について「手がかかった」などという趣旨の供述をしており、浅見さんのことも「よく出歩く人だった」と話していたという。
横浜地検は25日、転落死した2人目の女性=当時(86)=に対する殺人罪で今井容疑者を追起訴した。起訴状によると、14年12月9日未明、女性を4階居室ベランダから裏庭に転落させ殺害したとされる。今井容疑者は同年11月に転落死した男性=同(87)=に対する殺人罪でも起訴されている。