昨年8月27日、JR山手線の線路脇でケーブルやカバーが燃えた現場=東京都渋谷区(JR東日本提供)
共同通信社

 東京都内のJR東日本施設での連続不審火事件で、器物損壊と威力業務妨害などの罪に問われた自称ミュージシャン野田伊佐也被告(43)に東京地裁は25日、「鉄道の運休、遅延で多くの利用者に影響を及ぼした」として懲役4年(求刑同7年)の判決を言い渡した。

 被告は「JRに対する制裁的抗議表現で、違法性はない」と無罪を主張していたが、安藤範樹裁判官は「暴力的な行為が表現や抗議として許されないことは明らかだ。被告は独善的な考えから違法性を意識しなかったと主張するにすぎず、犯罪は成立する」と退けた。

 その上で「身勝手というほかなく、刑事責任は重い」と指摘した。