4月の定番行事である「自己紹介」。これから長い時間をともにするクラスメイトや先輩社員の前だけに、なにを話せば良いか悩んでいるひとも多いでしょう。
そんな悩みを解決するのが「メラビアンの法則」で、会話の「内容」が聞き手に与える影響はたったの7%… 苦労して原稿を用意しても9割以上はスルーされてしまいます。対して「表情」は55%、「声」やしゃべり方が38%と大きな影響力を持つので、笑顔ではっきりしゃべれば好印象が伝わるのです。
■「内容」の93%はスルーされる?
この4月に進学/就職するひとは、ほぼ確実に「自己紹介」する機会があるでしょう。名前や出身校から始まり、志望動機や将来の夢などが定番で、相手が同級生ならフランクに話せるでしょうが、上司や先輩の前となると緊張度もうなぎ登り… ヘンな印象を持たれないように、家で練習してきたなんて話も少なくありません。
自己紹介ではなにを話せば良いのでしょうか? 「お題」が決まっていれば、それに沿って話せば良いのでラクですが、「自由に」と言われると迷ってしまうのが人情。ところが、会話の内容は聞き手にほとんど影響を与えないので、深く悩む必要はまったくないのです。
アメリカの心理学者アルバート・メラビアンが提唱した「メラビアンの法則」では、「会話の内容」が与える印象はたったの7%しかないことが判明、93%は「聞き流されている」状態と言い換えられます。つまり、何時間もかけて原稿を用意しても、むなしい結果になる可能性・大。「ここ、笑うところでしょ! 」と悔しがっても、もともと聞き手が重要視していない要素だけに、効果は期待できません。
カッコ良い内容に目をうばわれがちですが、要点を簡潔に伝えられれば「成功」と考えるべきでしょう。
■目安は毎分400語
逆に注力すべき要素は何でしょうか? メラビアンの法則では、聞き手に作用しやすい要素は、
・顔、表情、ボディランゲージ … 55%
・しゃべる速さ、声のトーン … 38%
・内容 … 7%
なので、「見ため」でほとんどが決まる、と言っても過言ではありません。緊張で表情が硬くなるのはしかたないでしょうが、明るい印象には笑顔、クールに見られたければ無表情気味に、熱い気持ちを伝えたいひとは身ぶり手ぶりを交えると良いでしょう。
話すスピードや声も印象の4割近くを左右しますので、上手に利用しない手はありません。聞こえない/聞き取りにくい声量では「紹介」にもなりませんので、まずは少し大きめの声で話すべきでしょう。
放送局のアナウンサーのしゃべる速さは毎分300~400語が目安とされていますので、1分で原稿用紙1枚弱の速さなら、聞き取りにくいと思われる心配もありません。緊張するとどうしても早口になりがちですので、ストップ・ウォッチを片手に練習しておくのも良さそうです。
いずれにせよ「自分ってこんなひと」と紹介する場ですから、凝った話をする必要はありません。緊張のあまり頭の中がまっ白になっちゃう! ひとは、笑顔+大きめの声+ゆっくりめに話せるよう練習してください。
■まとめ
・メラビアンの法則では、会話の内容は7%の影響力しかない
・表情やボディランゲージと、声のトーンや話す速さで、印象の9割以上が決まる
・アナウンサーの話す速度は、「原稿用紙1枚分を1分ちょっと」が目安
(関口 寿/ガリレオワークス)