【ワシントン時事】カーター米国防長官は25日、記者会見し、米軍が過激派組織「イスラム国」(IS)ナンバー2で「金融相」のアブドルラフマン・カドゥリ(別名ハジ・イマム)容疑者を殺害したとみていると語った。NBCテレビによれば、米軍は今月に入り、シリアで急襲作戦を実施したという。
長官は殺害について「ISの作戦資金の調達活動全てを監督する指導者を排除した。戦闘員への賃金支払いや新たな戦闘員の雇用に打撃を与えた」と強調した。長官はまた、米軍が今週、イラク北部で戦闘員への賃金支払いを担当するIS幹部を標的に攻撃を行ったと明らかにした。
米政府はカドゥリ容疑者を国際テロリストとして手配し、700万ドル(約7億9100万円)の懸賞金を用意して行方を追っていた。米当局によれば、同容疑者はISの前身組織「イラクの聖戦アルカイダ組織」を率いたザルカウィ容疑者の副官を務めた経歴を持つ。
米軍は今月に入り、ジョージア(グルジア)出身でISの「戦争相」とされる上級司令官、アブウマル・シシャニ容疑者を狙った空爆をシリア北東部で実施し、殺害した。
米軍は、拘束したIS戦闘員の尋問などを通じ、より詳しい内部情報を把握できるようになっているもようで、幹部や重要施設を狙った作戦を強化していく構えだ。