【ワシントン時事】米大統領選の共和党候補指名争いで首位を走る不動産王ドナルド・トランプ氏(69)は、大統領に就任した場合、日本が駐留経費の負担を大幅に増額しなければ、在日米軍を撤退させる考えを明らかにした。日本による核兵器の保有を容認する意向も示した。
米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)が26日に掲載したインタビューで語った。トランプ氏は、これまでも「日米安全保障条約は不公平だ」などと日本側の負担増を求める方針を示していたが、米軍撤退の可能性に言及したのは初めて。
トランプ氏はインタビューで、日米安保条約について「片務的な取り決めだ。私たちが攻撃されても、日本は防衛に来る必要がない」と説明。「米国には、巨額の資金を日本の防衛に費やす余裕はもうない」とも述べ、撤退の背景として米国の財政力衰退を挙げた。
その上で、インタビュアーが「日本は世界中のどの国よりも駐留経費を負担している」とただしたのに対し、「実際のコストより、はるかに少ない」と強調。「負担を大幅に増やさなければ、日本や韓国から米軍を撤退させるか」と畳み掛けられると、「喜んでではないが、そうすることをいとわない」と語った。
トランプ氏は、日本政府と再交渉して安保条約を改定したい考えも表明。日韓両国が北朝鮮などから自国を防衛できるようにするため、「核武装もあり得る」と述べ、両国の核兵器保有を否定しないという見解も示した。