書店員を中心とした有志による選考委員らが「今、一番友達に薦めたいマンガ」をコンセプトに決定する『マンガ大賞 2016』(主催・マンガ大賞実行委員会)が29日、都内で発表され、野田サトル氏の『ゴールデンカムイ』に決定した。
同作は『週刊ヤングジャンプ』(集英社)で連載中。明治時代の北海道を舞台に、アイヌが遺したという大金を手に入れるため、元兵士の杉元佐一がアイヌの少女と行動を共にし、一攫千金を夢みるサバイバル漫画。アイヌの生活や“狩猟グルメ”などが描かれているのも特徴。宝島社が発表した「このマンガがすごい!2016」ではオトコ編第2位を獲得している。単行本は現在6巻まで刊行されている。
都内で行われた授賞式に出席した野田氏は、開口一番「『ダンジョン飯』に勝ててうれしい」と満面の笑み。主人公のモデルは屯田兵だった曽祖父で、「いつか書きたいと思っていた」作品だったという。同氏も北海道出身で、作品にはアイヌ協会が協力。さらに取材で狩猟に同行することもあるようで「鹿を撃ちにいって、脳みそを生で食べさせてもらった」とリアリティを追求する姿勢を明かした。
今年で9回目を迎える同賞。選考対象になるのは、2015年1月1日から12月31日までに単行本が発売された作品のうち、最大巻数が8巻までの漫画作品。一次選考では、各選考員が最大5作品に投票し、得票数上位11(同率順位含む)作品が候補作としてノミネート。その後、選考員が全候補作品を読んだ上で、ポイント制で上位3作品を選定し、最もポイントが高かった作品が大賞に決まった。
■歴代大賞作品
■マンガ大賞2016 ノミネート11作品