大腸が腸内細菌の侵入を防ぐ仕組みを解明したと、大阪大の竹田潔教授らの研究グループが発表した。腸管上皮細胞のたんぱく質が細菌の侵入を抑制し、炎症を抑えていた。根本的な治療方法がない潰瘍性大腸炎などの治療薬開発につながる可能性があるという。論文は31日、英科学誌ネイチャー電子版に掲載された。
研究グループは、大腸の上皮細胞のたんぱく質「Lypd8」に着目。このたんぱく質がないマウスは腸管の内粘液層に細菌が侵入し、腸炎を発症することを確認した。通常のマウスはほぼ無菌状態に保たれていた。
潰瘍性大腸炎の患者は、このたんぱく質が激減しているという。竹田教授は「補充することで治療につながるのでは」と話している。