2030年代に有人火星探査を計画しているNASA。今月10日には、火星へと宇宙船を送り届ける新型ロケットに搭載するエンジンのテストを行っており、着々と準備を進めているようだ。
これまでも無人探査機が送り込まれてきた火星であるが、人が降り立つことができれば探索が一気に進むことが予想される。しかしながら、現状でも探査機からさまざまな情報が得られており、たくさんの発見がなされているのも事実だ。そしてこの度、トカナ編集部の火星生命調査班画像解析係が、探査機が撮影した画像から、ついに火星に生物がいることを突き止めたのだ。
■撮影されていたプレーリードッグ!
問題の写真は、NASAの火星探査機「キュリオシティ」によって、2015年9月25日に撮影されたものだ。まずはその画像をご覧いただこう。
【その他の画像はコチラ→http://tocana.jp/2016/03/post_9316.html】
おわかりいただけるだろうか、もう少し拡大してみてみよう。
そう、火星にプレーリードッグが生息していたのだ! 巣穴から出たところだったのだろうか、岩の陰から左の方を向いている様子がはっきりと写っている。通常は群れで暮らしているプレーリードッグだが、今回は1匹しかその存在が確認できなかった。
キュリオシティはパノラマ写真を撮る際に、複数枚の写真を撮ってつなげているのだが、最初の撮影の際に、今回写りこんだ個体によってキュリオシティの存在を気づかれ、警戒されてしまった可能性が高い。地球上のプレーリードッグも、天敵が近づくと鳴き声を上げて警戒し、仲間に知らせるという行動をとるが、同様のことを火星のプレーリードッグもしているとみられ、他の個体は隠れてしまったようだ。
■地球上での生息地域と似た地形に適応か
そのかわいらしい姿で人気のプレーリードッグは、北米原産のげっ歯類である。彼らが生息しているのは草原地帯であり、キュリオシティが探査している広々とした火星の平野に似た地形のところだ。星は違えど、基本的な生態は変わらないのかもしれない。
また、NASAのスケールデータによると、このプレーリードッグの体長は2mを超えているとわかる。プレーリードッグにしては大きいが、地球人が水のない惑星に適応した結果、50mほどにまで巨大化し怪獣「ジャミラ」なったケースに鑑みれば、不思議なことではない。いや、フィクションに根拠を求めなくとも、平均気温がマイナス43℃である火星に適応した結果、「大型な種ほど寒冷な地域に生息する」というベルクマンの法則のように姿が変わっていったと考えられなくもない。
ただ、火星には草がないため、エネルギー源となる食物が少ないと思われる。そのような環境で、どのように生活をしているのか、このあたりの疑問は今回の写真だけでは解明することは難しそうだ。火星への道はまだまだ険しく遠いものであるが、NHKの人気番組「ダーウィンが来た!」の取材班にはぜひ火星に行ってもらい、その生態を調査してほしいものである。また、読者のみなさまも、火星画像の中に生命体をみつけた場合は、ぜひTOCANA編集部まで情報を提供してほしい。
※画像は、「Wikipedia」より引用