2016年4月1日1:30,Intelは,Broadwellマイクロアーキテクチャを採用するサーバー&ワークステーション向けCPU「Xeon E5 v4」ファミリー計27製品を発表した。
開発コードネーム「Broadwell-EP」とも呼ばれていた新型CPUは,製造にあたって14nmプロセス技術を採用。内蔵CPUコア数が最大で22コア,L3キャッシュ容量は最大55MBに増大したのが特徴だ。対応ソケットや対応チップセットは,前世代のXeon E5 v3ファミリーと互換性を持つため,既存のXeon E5 v3対応マザーボードなら,BIOSアップデートなどでXeon E5 v4に対応できるのもポイントである。
ゲーマーが個人で購入するような製品ではないが,簡単に説明していこう。
■基本はHaswell-EPのマイナーチェンジ
今回発表されたXeon E5 v4ファミリーは,開発コードネーム「Haswell-EP」と呼ばれたXeon E5 v3ファミリーと同様に,いわゆる「2P」(=2-way,2ソケット)のシステムに対応するCPUだ。
デスクトップPC向けの「Broadwell」こと第5世代Coreプロセッサが,第4世代Coreプロセッサである「Haswell」のマイクロアーキテクチャに小幅な改良を加えたものであったのと同様に,Xeon E5 v4ファミリーも,本質的にはXeon E5 v3ファミリーに小規模な改良を加えたCPUといっていい。なお,トランジスタ数やダイサイズは未公開である。
内蔵するメモリコントローラも若干変更されている。4チャネルのDDR4メモリ対応という点は変わっていないが,DDR4-2133までの対応だったXeon E5 v3に対して,Xeon E5 v4はDDR4-2400まで対応可能となった。また,両面実装タイプのサーバー用LRDIMM対応や,DDR4の「Write Data CRC」(※書き込み時にCRC符合を送る機能)への対応も加わるなど,細かい部分にも手が入っている。
内部構造の詳細は,残念ながら公表されていない。Xeon E5 v3では,内部構造に大きな変更が入り,CPUコア数が10基以上の製品では,各CPUコアやメモリコントローラなどを結ぶ内部のリングバスを二重化しているのが大きな特徴だったが,Xeon E5 v4でもこの構造は継承しているとのことだ。
アーキテクチャ面の改良点で,大きく取り上げられているのは,Intelが「Intel Resource Director Technology」(Intel RDT,以下 RDT)と称する仮想関連の機能強化だ。RDTに対応した仮想マシン環境では,優先順位の高い仮想マシン(Virtual Machine,以下 VM)に対して,優先順位の低いVMSよりも多くのリソースを割り当てるといった処理が可能になるという。
アーキテクチャ面ではほかにも,セキュリティ関連の新命令をいくつか追加したことも改良点として挙げられている。新命令を利用することで,前々世代にあたるXeon E5 v3ファミリーの製品と比べて,1コアあたりの暗号化処理を70%高速化できたとIntelではアピールしていた。
■データセンター向けSSD計4製品も発表に
冒頭で後述するとしたSSDだが,新型Xeonと同時に,Intelは,データセンター向けSSD「Intel SSD Data Center」の新製品を発表した。ラインナップは,「SSD DC D3700」(以下,D3700)「SSD DC D3600」(以下,D3600)と,「SSD DC P3520」(以下,P3520)「SSD DC P3320」(以下,P3320)の4製品。いずれも価格は公表されていない。
D3700およびD3600は,1台のストレージを2つのシステムに接続できるデュアルポート接続対応のNVMe SSDである。サーバー用ストレージでは一般的なSerial Attached SCSI(以下,SAS)接続のSSDと比較して,逐次読み込みでは1.8倍,4Kランダム読み込みでは3.9倍も高速だという。
P3520とP3320は,Intel製SSDでは初となる,3D NANDフラッシュメモリを採用したSSDである。P3320は,IntelのSATA SSDである「SSD DC S3510」と比べて,逐次読み込みでは3.2倍,4Kランダム読み込みでは5倍も高速とのことだ。
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