【ワシントン時事】安倍晋三首相は1日夜(日本時間2日午前)、米ワシントン市内で記者団の質問に答え、来年4月の消費税率の10%への引き上げについて、「延期するかどうかは、発生した事態の下で、専門的な見地からの分析も踏まえ、そのときの政治判断で決定すべきだ」と述べ、経済情勢によっては延期する可能性があることを示唆した。
首相は「リーマン・ショックや大震災のような重大な事態が発生しない限り、予定通り引き上げていく予定だ」との考えを重ねて示す一方、「延期には法改正も必要になる。その制約要件の中で適時・適切に判断したい」とも語った。
首相は既に、消費税増税再延期の検討に入っており、5月18日に公表される1〜3月期の国内総生産(GDP)速報値など各種経済指標を踏まえ最終的に決断する意向だ。
景気のてこ入れ策に関しては、「2016年度予算の前倒し実施について、帰国後の閣議で改めて具体的な方針を示したい」と表明。追加の経済対策については、「世界経済の持続的かつ力強い成長を実現するため日本としてどのような貢献をすべきか、主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)で世界のリーダーと議論したい」と述べ、サミットでの討議を踏まえ、夏の参院選前に具体化させる考えを示した。
参院選との同日選が取り沙汰される衆院解散については「解散の2文字は全く頭の片隅にもない。解散の『か』の字もない」と語った。