シャープと台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業は2日、堺市で共同運営する液晶工場「堺ディスプレイプロダクト」で、鴻海がシャープを買収する契約を締結した。鴻海グループが総額3888億円を出資して議決権の66%を握る筆頭株主となる。国内電機大手が外資傘下に入るのは初めて。記者会見した鴻海の郭台銘董事長(会長)は「グローバル企業が相互に補完し、一緒に成功できる」と述べ、早期再建を目指す考えを表明した。
郭会長は記者会見で「必要なリーダーシップを提供し、歴史ある企業を立て直すことを約束する」と強調。シャープの高橋興三社長は「鴻海の支援を得て、財務体質を改善し、抑制してきた成長に向けた投資を行う」と語った。成長が見込まれる有機EL(エレクトロルミネッセンス)事業を中心に収益基盤を強化する方針だ。
郭会長はシャープ再建に必要な期間に関し、「損益分岐点まで2年なら4年と答える。だが、私は保守的なので(今回は)心の中で計画を持つことにしている」と述べた。