今月から電力自由化で、電気の購入先を選択できるようになった。どこを選べば安くなるのだろうか。
東京電力の最も強力なライバルと目されるのが、東京ガス。莫大な数の顧客名簿を持ち、知名度、信頼性ともに申し分ない。ガスと電気のセット利用で電気代が安くなるほか、インターネットもあわせて利用すれば付帯サービスが無料になるサービスもある。
ソフトバンクも電気代のほか、携帯電話料金割引、電気の使用量に応じてTポイント付与などのサービスがある。
どんなケース(電気使用量など)で、どの程度の節約効果があるかは各社のホームページなどで具体例を見たり、シミュレーションしたりできるが、「シンプルに安いものを選んだほうがいい」というのが、私の考えである。
たとえば、今後、携帯電話の乗り換えを検討する必要が生じた際、電気料金のセット割が使えなくなるという縛りがあると、乗り換えがままならない。また、2年縛りなどの条件を確認せずに契約すると、切り替えの際に解約金が発生するかもしれない。
ガスについても、2017年4月の自由化を控えており、安い料金を提示する新規参入組が出てこないとも限らない。
このようなことから考えても、「セットで契約することで安くなるタイプ」より、「単品ごとに安いものを拾い集めていく」ほうが結局は安くつく、見直しもしやすい、ということになると考えられる。
では、電気はどこで契約するのが安いのか。私はガソリン小売りの東燃ゼネラルグループに注目している。
ほとんどの人が契約している従量電灯B(10~60アンペアの範囲)の場合、契約アンペア数、使用量にかかわらず、ほぼすべてのパターンで電気代が安くなる。ガス会社や通信会社のように顧客名簿がない分、料金の安さ一本で勝負しているようにみえる。一例では、電気料金が月額7900円程度(契約アンペア40A、電力使用量290kWh)の場合、年間5000円安くなるという(同社ホームページ参照)。現在は首都圏での利用を受け付けており、中部、関西にも順次、拡大予定だ。
ちなみに、新規参入組については、体力以上に契約が集まりすぎる、契約が採算ラインに達しないといった要因で経営が悪化し、値上げせざるをえないといった事態になることも考えられる。今安いからといって将来も安いとは限らないし、競争が進むことも考えられるので、携帯電話のように、一定期間内の解約ではペナルティがかかるといったルールがないか確認したい。
電気料金を下げるには、使う量を減らす方法もある。
かくいう私も電気代にはかなり悩み、改善を図ってきた。エアコンは省エネ型・大容量の機種に、トップライト(天窓)は遮熱性のカーテンで覆った。18年近く使っていた冷蔵庫も買い替えた。省エネ効果により、12年強で元がとれる計算だ。照明は約30個の電球をLEDに切り替え。当方では2年以上前にIKEAにて600円程度で購入、今のところ問題ない。
その結果、最高で月額3万5000円程度まで跳ね上がった電気代が、高い月でも2万5000円程度までに抑えられている。
冷蔵庫、照明器具、テレビ、エアコンで家庭の電気使用量の約44%を占める(省エネルギーセンター「家庭の省エネ大辞典2012年版」より)。安く買う、使う量を減らす、の両輪で電気代を見直したい。