​和歌山県立自然博物館のナマコの専門家の研究に密着 | ニコニコニュース

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3月30日放送、「おはよう日本」(NHK総合)では、珍しいナマコの専門家。和歌山県立自然博物館の山名学芸員は、日本でも数少ないナマコの専門家。和歌山県立自然博物館には、山名さんが集めたナマコが展示されている。大学時代の山名さんは、養殖の研究をしており、その中で、ナマコは海の環境を守る上で大切な存在だということがわかった。

だが、生態や分類の研究があまり進んでいないこともわかったという。山名さんは7年前には博物館の学芸員になり、分類の研究を始めたのだった。山名さんは冬でも海にでかけ、水を汲み上げてはナマコを探している。ナマコは棘皮動物門のグループのひとつ。身体が細長くて、口が水平に向いているなどの特徴を持つ。世界には約1500種類が存在し、日本にはそのうち200種類ほどが分布している。食用になるのは約30種類ほどだ。

寿命は5年から10年ほど。身体が棘や硬い殻ではなく、柔軟な体壁に覆われていることなどが特徴だ。大きい物は15センチほどあるが、小さいものはわずか数ミリしかない。博物館に戻ると、山名さんはナマコとそれ以外をより分ける。ナマコは傷みやすいため一刻も早く標本にしなくてはならないという。

顕微鏡をのぞいてピンセットで取り出すため、根気強く行うことが重要だ。山名さんがこれまで集めたナマコの個体数は2,000を超えている。研究の基本は標本。そのため、可能な限り、集めることを目的としている。

分類する中で、新たな発見もあったという。3年前にすさみ町の海で見つけたナマコは珍しい特徴があり、似た種類のナマコにはある、骨片がなかったという。新種かと思い、似た種類のナマコ60種類を調べたところ、体系的な資料がなかった。そのため、ラテン語やドイツ語の古い文献も読破するなど努力を重ねた。2年の研究の結果、新種だということが確認され、山名さんは「チオーネ・スサミエンシス」と名付けたのだ。この成果を多くの人に知ってもらおうと、博物館では「チオーネ・スサミエンシス」を展示している。山名さんは「まだまだ知らない生き物がたくさんいて、生態系がなりたっています。その中で我々は生かされているのです。そういうことを知ってもらうため、地道な研究を今後も積み重ねていきたいです」と語っていた。