よくわからないものとしてチャーハンとピラフの違いというものがあります。どちらもごはんに味がついた、パラパラとした食べ物というイメージです。単純な区別としては、チャーハンが東洋風の料理で、ピラフが西洋風の料理という印象もあるかもしれません。ですが、これは正しくありません。チャーハンとピラフの違いはどのような点があるでしょうか?
まずチャーハンとピラフは調理法が違います。チャーハンは、炊きあがったごはんを具材とともに炒めます。ですが、ピラフは生米を具材とともに炒めます。ここまでは、たきあげたお米か生米かという違いはありますが、チャーハンと一緒です。ですが、そのあとスープと一緒に煮込んで炊き上げたものがピラフなのです。ピラフの方が手間暇がかかる料理と言えるでしょう。
チャーハンはもともとは中華料理のメニューですが、もうほとんど日本料理と融合してしまっていると言えるでしょう。特にチャーハンの発展形ともいえるチキンライスや、チキンライスをタマゴで包んだオムライスなどは、日本独自の発展を遂げたものといえるかもしれません。オムライスは西洋料理のように思われがちですが、日本で生まれた西洋風日本料理というべきものです。
一方でチャーハンに対してピラフはどのような地域で食されているものでしょうか。ピラフがもっとも知られるのはトルコ料理です。ですがトルコだけにとどまらず、イランやウズベキスタン、アフガニスタンなど中近東からインド、パキスタンにいたるまで広い地域で食されています。ピラフに用いるお米は、日本で食べられている短粒種ではなく、細長いインディカ米が使われています。粘り気のないパラパラとしたインディカ米がピラフには最適なのです。
ピラフは、味をつけた生米をスープや具材とともに煮込んで作る料理です。野菜はもちろん、肉や魚介類などのダシが、お米にしみこみ、うまみが凝縮された、ダシ文化の料理がピラフといえるかもしれません。