NECは4月6日、アンゴラのアンゴラケーブルズ(Angola Cables, SA)と締結したアンゴラとブラジルを結ぶ大容量光海底ケーブル敷設プロジェクト「SACS(South Atlantic Cable System、サックス)」の建設を開始したと発表した。海底ケーブルの稼働開始時期は2018年中旬を予定している。なお、同社によるとアフリカ大陸と南米大陸間を結ぶ南大西洋を横断する光海底ケーブルシステムとしては世界初だという。
アンゴラは、石油やダイヤモンドなどの豊富な資源を背景とした経済成長に伴い、国際通信が急増している。特に経済大国のブラジルや、ブラジルを経由した米国との通信を可能にする国際通信ケーブルの整備が求められているという。
SACSは、そのようなニーズに応えるとともに陸揚げ地のブラジル・フォルタレザで米国に繋がる海底ケーブルと接続することで、今後も予想される両地域間の通信需要増に対応していく。
SACSは、NECとしても大西洋で初めて手がけるプロジェクトであり、アンゴラのルアンダ(Luanda)とブラジルのフォルタレザ(Fortaleza)を結ぶ、総延長約6200kmの光海底ケーブル。また、一波長あたり毎秒100ギガビット(100Gbps)となる最新の光波長多重伝送方式に対応し、建設時の設計容量として毎秒40テラビット(40Tbps)の伝送を可能としている。
まずは、海洋調査とルート設計に着手し、その後は光伝送端局装置や光海底中継器、光海底ケーブルなどの製造を行い、海底ケーブルの据付・敷設工事を進める。
なお、SACSの建設には国際協力銀行(JBIC)のバイヤーズクレジット(輸出金融)が活用されており、三井住友銀行(SMBC)との協調融資によるもので、SMBC融資部分には日本貿易保険(NEXI)による保険が活用される。JBICは、アンゴラ国営のアンゴラ開発銀行を通じ、建設資金の一部をアンゴラケーブルズに融資する。
(岩井 健太)