国際大学グローバル・コミュニケーション・センターの山口真一助教が、「ネットで炎上に加担しやすい人」の傾向をまとめた研究が、話題となっている。
この研究では、2014年11月、マイボイス社のインターネットモニター・20歳以上の男女1万9992人を対象におこなった「インターネットの利用に関するアンケート」のデータを利用。「性別」「年収」「結婚」「子供の有無」などの個人属性が炎上加担行動にどのような影響を与えているのか分析したところ、炎上に加担しやすい人の傾向は、
・女性よりも男性
などだという人物像が明らかになった。
山口助教は、これらの結果を踏まえ、「炎上加担者は社会的弱者、バカ等としている先行研究と実態が乖離していることが確認された」と結論づけた。子供と同居している親が炎上に参加しやすいという結果については、毎日新聞の取材に対し「子育て関連や安全保障関連の話題は、子持ちの親の方が関心が高いため、炎上に参加する確率が高くなる可能性は十分に考えられる」とコメントしている。
Twitterには、これらの結果に対して、
「社会的地位もあって善良な“フリ”してるストレスからってことかなぁ(笑)」
と、関心を持つ声がある一方で、
「炎上の定義をきちんとするべき」
と、そもそも「炎上」とは何を指すのか、という点について疑問を呈する声も多く、山口助教の論文でも「炎上には確立した定義はない」としている。
とかく、社会的な恩恵にあずかれていない人が起こすもの、というイメージのあった「炎上」。今回の研究は、その既成概念に一石を投じたといえそうだ。
※当記事は2016年04月06日に掲載されたものであり、掲載内容はその時点の情報です。時間の経過と共に情報が変化していることもあります。