今や「東京都民の敵」となってしまった舛添要一都知事。次から次へと都民を逆なでするような情報を垂れ流す姿には呆然とするばかりだ。
東京都は3月16日、韓国人学校増設のため、新宿区矢来町にある都有地を韓国政府に貸し出す方針を打ち出したが、新宿区が都に対し保育所設置のために貸し出しの要請を行っており、舛添知事はそれを「無視」した形となったのである。本人は「聞いていない」というが、それはそれで職務怠慢ともいえるような気がする。
都民からすれば「都民の生活よりも外国を優先」しているようにどうしても見えてしまう。無論韓国との外交が上手くいくのは、北朝鮮の動向などを鑑みれば今後の日本にとってプラスだ。だが、目の前にある「保育所設置」など都民が優先してほしいと願う事項もたくさんあるのも事実。それよりも韓国人学校増設を優先する具体的かつ納得のいく理由、日本にとってのメリットを知事は伝えることができていない。
さらに、知事は昨年10月にパリとロンドンへ出張したが、必要かも不明な20名という大所帯で海外へ行き、飛行機はファーストクラス、宿泊先は最高級ホテルのスイートルームというのだから恐れ入る。これには世間も呆れる他になかった。
香港の記者から出張に関する質問が出た時に「香港のトップが二流のビジネスホテルに泊まりますか。恥ずかしいでしょう」と"逆ギレ"した姿は目も当てられない。「結局は見栄です」と大声で発表したということだ。中身がまるでなく、税金を使っているという意識も欠けている。
タイミングが悪いことに、5日に「世界で最も貧しい大統領」として知られる南米ウルグアイのホセ・ムヒカ前大統領が初来日。金銭を極力かけない質素な生活を続け、大量消費社会に一石を投じた人物だ。この人物の来日によって、知事の愚かしさ、中身のなさはさらに強調されることとなってしまう。「爪の垢でも煎じて」というセリフを今こそ使いたくなる。
そもそも知事はもともと「国際政治学者」のはず。国際政治学者というからには外交でこそその力を発揮するべきだろう。韓国政府の顔色をうかがっただけのような独断での都有地貸し出し、体裁ばかりを気にした豪華すぎる出張。これが国際政治学というものなのだろうか。ぜひ教えてほしい。
石原慎太郎元都知事や猪瀬直樹前知事は、羽田空港の国際線導入や東京五輪招致など、都民と日本にメリットをもたらす外交を打ち出していたように思う。これは政治的な同意や批判のレベルではなく、単に舛添知事にやる気がないのかあるのか、都民のことを考えているのかいないのかという非常に低レベルな比較ということだ。
もともと奔放な女性関係や女性蔑視発言、DV疑惑などで「女の敵」という扱いを受けてきた舛添だが、これらの件で完全に「都民の敵」へとグレードアップしてしまった。政治家人生も風前の灯かもしれない。