5月7日(土)に宮城先行、14日(土)に全国公開される映画「殿、利息でござる!」の“銭集め”セレモニー&完成披露試写舞台あいさつが、4月6日に都内で行われ、阿部サダヲ、瑛太、妻夫木聡、竹内結子、寺脇康文、きたろう、千葉雄大、橋本一郎、中本賢、西村雅彦、そして中村義洋監督がサプライズで登壇した。
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殿に大金を貸し付け、利息を巻き上げるという奇想天外な発想の実話である本作にちなんで行われた“銭集め”セレモニー。司会の呼び込みにより、主演の阿部らが現れると観客は大喜び。
主人公・穀田屋十三郎を演じた阿部は、予想を超える観客と大勢のマスコミに驚いた様子を見せつつ、このセレモニーを皮切りに、全国での“銭集め”活動を行うことを発表。スピーカーを片手に「これから、映画公開日の5月14日(土)まで、全国の銭集めをいたします。『殿、利息でござる!』銭集めプロジェクト、スタートします!」と高らかに宣言した。
今回集まった金は、映画に登場する庶民の奮闘を記録した古文書の保存に役立てることが説明されると、阿部はさらに「中にはお札でご参加くださる方もいらっしゃるかもしれませんが、われわれはそんな大金は慎しませていただきます。どうぞ皆さま、小銭で、5円玉でご参加ください!」と付け加え、悲願を達成しながらも、自らと、その仲間内に「つつしみの掟」というルールを課し、自慢など一切の公言を控えた十三郎の“つつしみの心”を感じさせる言葉を残した。
セレモニー後に行われた舞台あいさつでは、上映前の熱気漂う満席の会場に、全員そろって“銭色(金)”ネクタイ(竹内はゴールドのアクセサリー)を着用し登壇。「きょうは東京の方々に初めて映画をご覧いただけるとの事で、とてもうれしく、興奮しています! ただ、会場に千葉さんの名前のプラカードをたくさん持っている方がいて、何だか少し緊張してきました(笑)」と阿部があいさつすると、町一番の(自称)キレ者の茶師・菅原屋篤平治を演じた瑛太は「素晴らしい作品ができました。ぜひ楽しんでいただき、どんどん周りの方に伝えていってください!」と力強くアピールした。
続いて、十三郎の弟で、吉岡宿一の大店・造り酒屋の浅野屋の主・浅野屋甚内を演じた妻夫木は「家族で見られる映画って最近少なくなっている中で、中村監督がしっかり作ってくれたなって感じる、思いの詰まった映画」と評し、十三郎がひそかに恋する飯屋さんのおかみ・ときを演じた竹内は「本当に心から温かい気持ちになれる作品」と、おのおのの言葉で魅力を語った。
十三郎らと共に、銭集めをした仲間たちを演じた寺脇、橋本、中本、西村らも、思い思いにこの日を迎えた喜びを語る中、きたろうだけは「竹内結子さんのセクシーな衣装しかきょうは見ていないです」と笑いを誘いつつ、「これだけキャラクターの違う人物を、監督は良く集めたなといった感じ。人間の種類が分かるような映画だと思います。まあ私はどの人間よりも私がいいですけど」と、独特の“きたろう節”で監督を称賛した。
さらに、ひときわ黄色い歓声が上がる中、町をまとめる大肝煎(おおきもいり)・千坂仲内を演じた千葉は「こんなに豪華なキャストの皆さんと一緒に舞台に立てることを本当に誇りに思います」と笑顔でコメントした。
司会者から「もしも千両(現在の貨幣価値で約3億円)あったら、何に使うか?」との質問が飛ぶと、阿部は「本当に素晴らしい監督と、キャストの皆さんとこの映画を作れたのが、とても楽しかったので、また同じメンバーで映画を作りたいなと思ってます」と即答。
その他、「映画『殿、利息でござる!』の鑑賞券を3億円分買って、皆さんにお配りしたい」(瑛太)、「映画館を作って『殿、利息でござる!』の専用劇場とか作りたいですね。そうして本作を盛り上げられればうれしい!」(妻夫木)、「1000万だけ宝くじを買って、当たったら残りの2億9000万円と合わせて、本作に投資したい!」(竹内)と、本作のための使い道を語る者も。
一方、「真面目な話ですが、寄付したいです。ちょこっとだけは自分でももらいたいですが(笑)」(寺脇)、「賭け事で20億円にして、難民の方々を助けるために全部使いたいですね」(きたろう)、「撮影中、先輩方にご飯を何度もごちそうになったので『きょうは僕が払います』と恩返ししたい」(千葉)、「家具をお金で作って、堪能した後で中村監督にあげます。そのお金で作った映画に出してください!」(橋本)、「実際に持ったことないので、とりあえず持って逃げて、ゆっくり考えたいなあ」(中本)、「1億円を舞台となった大和町に、1億円を東日本放送さんに、1億円を松竹さんにお渡ししたい」(西村)と、続々と個性豊かな活用方法が語られた。
そんな中、メガホンを取った中村監督は「やっぱり映画作りに使いたいです。1億円を撮影スタジオ作りに、1億円を新たな映画作りに。そうしながら、もう1億円の使い道をゆったり考えたいですね」と、映画愛に満ちた言葉で締めくくった。