鹿児島県上空で消息を絶った航空自衛隊入間基地(埼玉県)所属のU125飛行点検機(乗員6人)の事故で、7日午後1時15分ごろ、乗員とみられる1人が鹿児島県御岳山頂の東約500メートル付近で捜索中の自衛隊に発見された。防衛省によると、心肺停止状態だった。身元確認とともに残る5人の発見を急ぐ。
周辺からは航空機搭載の無線機や点検機材の一部も見つかり、防衛省は回収を進める。U125は地上の無線施設などを上空から点検するために飛行中に墜落したとみられる。
U125は6日午後1時15分に海上自衛隊鹿屋航空基地(鹿児島県鹿屋市)を離陸し、午後2時35分ごろに同基地の北約10キロの鹿屋市と垂水市にまたがる山間部の高度約1000メートルで消息が途絶えた。
機長で40代の男性3等空佐と副操縦士、機上無線員2人、整備員2人の計6人が搭乗。着陸時に使用される電波が地上の無線施設から正常に発信されているかなどを調べていた。
1人が見つかった御岳は鹿屋航空基地の北約10キロにある。レーダーの航跡が消えた地点の西方向で発見された。自衛隊と鹿児島県警は7日、計約600人態勢で、レーダーから機影が消えた山間部で捜索を再開していた。
防衛省航空幕僚監部は7日午後、発見されたのは搭乗者とみられる6人全員としていたが、その後、発見されたのは1人と訂正した。空幕は「情報が錯綜(さくそう)し誤った人数を発表してしまった。非常に申し訳ない」と謝罪した。