2002年に設立された、“わが国コンテンツの海外展開の促進とその障壁となる海賊版等の侵害対策を目的に経済産業省と文化庁の支援によって設立された団体”「コンテンツ海外流通促進機構(CODA)」。
公式サイトでは活動内容を、「日本コンテンツの海外、特に東アジアを中心とした正規流通の阻害要因となっている海賊版問題を喫緊の課題としてとらえ、情報の収集分析、産業界における情報の共有及び効果的な解決策の検討、解決策の一つである共同エンフォースメント等を、主な事業として実施しています。」と説明しており、サイト内では各種フォーラムに参加したり、香港や中国、台湾といった海外の違法配信、海賊版販売・配信などの摘発・逮捕ニュースを紹介したりしている。
そのCODAが今年3月31日に発表した「2014年・海外における日本コンテンツの海賊版による被害額を推計」によると、映画やアニメ、音楽、マンガのコピーによる2014年の売上金額が3,994億円であるのに対して、推計被害額は9,348億にも上るという。
詳細はCODAのサイトなどを参照していただくとして、発表されたこの金額は、CODAが委託して実施した「海外での日本コンテンツの市場規模調査」に基づく、5ジャンル、加盟する33社へのアンケート調査「海外におけるコンテンツ収入及び海賊版の推定被害額等」によって、導き出された係数(海賊版による正規版収入への影響)を「海外における収入金額」に乗じることによって算出したもの、としている。
被害が掴みにくい“海賊版”。推計だらけなので、この数字も、どこまで実態に近いのか、意見が分かれるところだろう。だが、ここには海外展開されていない作品の被害は含まれていないそうだから、国境に関係なく動画配信サイトなどで作品を見ることができる現状では、被害はさらに大きなものになる可能性もありそう。
国内のBlu-rayやDVD、CD、雑誌、単行本といったパッケージの売り上げが苦戦している中、海外展開や配信事業に、希望を見出そうとしている企業やクリエーターも多いことだろう。CODAや、HuluやNetflixといった正規配信サイト、各テレビ局やアニメ関連企業が手がける海外展開・配信事業の発展や頑張りに期待したい。