小型化と世代交代で繁栄=2.5億年前の絶滅期しのぐ―草食動物の化石分析・南ア | ニコニコニュース

 約2億5200万年前のペルム紀末に地球の大半の生物が絶滅した際、草食動物のリストロサウルス類は体を小さくし、早く世代交代することで生き延び、繁栄した可能性が高いことが分かった。南アフリカのブルームフォンテーン国立博物館や米フィールド自然史博物館などの国際研究チームが大量の化石を分析した成果で、10日までに英科学誌サイエンティフィック・リポーツに発表した。

 ペルム紀末には現在のシベリアで大規模な火山噴火が発生。火山ガスなどによる温暖化が進んで陸上で7割、海で8〜9割強の生物が絶滅したと考えられている。

 リストロサウルス類は哺乳類の祖先に当たり、ペルム紀後期には現代のカバぐらいの大きさだった。しかし、研究チームが南アで発掘された大量の化石を分析した結果、絶滅期の後は大型犬並みに小さくなり、寿命は13〜14年から2〜3年に短くなった。

 若いうちにたくさん子をつくり、早く死ぬことを繰り返すことで環境の急変に適応。さまざまな種に分かれ、生息地域を拡大したとみられる。

 研究チームは、現代も人間社会による自然破壊や温暖化の進行で生物の大量絶滅が進んでいるとの見方を示し、過去の絶滅期の調査が将来の予測に役立つと指摘している。