ブンデスリーガ第29節が10日に開催され、DF内田篤人が所属するシャルケと日本代表MF香川真司が所属するドルトムントによる“ルール・ダービー”が行われた。香川は2試合ぶりの先発出場。負傷の内田はベンチ外となった。 ドルトムントが2位、シャルケが7位という状況で迎えた“ルール・ダービー”。昨年11月に行われた同一カードでは、ドルトムントが3-2でシャルケを破った。チャンピオンズリーグ(CL)出場権を目指すシャルケはホームでライバルにリベンジを果たしたいところ。一方、ドルトムントもバイエルンとの優勝争いを繰り広げており、勝点3確保が求められる。 7日にヨーロッパリーグ準々決勝でリヴァプールと対戦したドルトムントは、アルメニア代表MFヘンリク・ムヒタリアンやガボン代表FWピエール・エメリク・オーバメヤンら主力選手を温存。3-4-3のフォーメーションでこの試合に臨み、最前線にコロンビア代表FWアドリアン・ラモス、左FWに香川、右FWにアメリカ代表MFクリスティアン・プリシッチが入った。 最初に決定機を迎えたのはドルトムント。23分、右サイドからのスローインをA・ラモスが競り合い、こぼれ球を拾ったプリシッチがエリア内右に進入して右足シュート。しかし、ここは枠の左に外してしまい、決定機を逃す格好になってしまった。 一方のシャルケもチャンスを作る。33分、エリア手前右でピエール・エミール・ホイビュルクからパスを受けたレロイ・ザネが左足を振り抜く。強烈なシュートがドルトムントのゴールを襲ったが、ここはわずかに枠の右に外れてしまった。 さらに40分、シャルケは中盤でボールを持ったユネス・ベルアンダが右サイドを走るジュニオール・カイサラへスルーパス。エリア手前右からミドルシュートを放ったが、ここはわずかに枠の左へ外れてしまった。このまま0-0でハーフタイムを迎える。 ドルトムントはハーフタイムにマッツ・フンメルスを下げ、ムヒタリアンを投入。システムを変更した。後半立ち上がりの49分、ドルトムントは右サイドから攻め込むと、モリッツ・ライトナーのヒールパスを受けた香川がダイレクトでループシュートを放った。これがゴール左上に決まり、ドルトムントが先制に成功。香川の芸術的なループシュートには、ベンチに座っていたトーマス・トゥヘル監督もすぐさま立ち上がり、笑顔で拍手を送って喜びを表現した。なお、香川は昨年11月に行われたダービーに続いてシャルケ戦でゴールを決め、ルール・ダービー通算得点数を4とした。 しかし、直後の51分、シャルケが右サイドから攻め込むと、ホイビュルクが右足シュートを放つ。DFに当たったこぼれ球を右サイドのカイサラが拾ってクロスを入れると、GKロマン・ビュルキが弾いたボールがザネの足元へ。ザネが左足で豪快に蹴りこんでシャルケがスコアを振り出しに戻した。 追いつかれたドルトムントもすぐさま反撃。56分、右サイドでFKを獲得すると、ムヒタリアンのクロスが壁に当ってコースが変わる。高く浮き上がったボールをゴール前のマティアス・ギンターがヘディングで合わせて勝ち越した。 ドルトムントはこのリードを守りきりたいところだったが、再びすぐにスコアが動く。66分、シャルケはロングボールから前線でボールを持ったザネがエリア内へスルーパス。抜けだしたクラース・ヤン・フンテラールをソクラティス・パパスタソプーロスが倒してしまい、シャルケにPKが与えられる。これをフンテラールがゴール右にしっかりと決め、2-2の同点とした。 71分、再び香川に決定機が訪れる。エリア内右でムヒタリアンからパスを受けたプリシッチが、中央へ折り返しのボールを入れる。ゴール前の香川がフリーで合わせたが、ここは惜しくもGKラルフ・フェアマンの正面。こぼれ球をムヒタリアンが左足で狙ったが、枠の右に外れてしまった。 ドルトムントは73分にライトナーを下げてオーバメヤン、プリシッチを下げてイルカイ・ギュンドアンを投入。勝ち越しゴールを奪いに出る。終盤は両チームともに勝点3を目指して攻めに出たが、得点は生まれることなく2-2のドローに終わった。ドルトムントの連勝は3でストップし、バイエルンとの勝点差は7に広がってしまったため、逆転優勝は厳しくなった。なお、香川はフル出場している。 次節、シャルケは敵地でバイエルンと、ドルトムントはホームで日本代表DF酒井高徳が所属するハンブルガーSVと対戦する。 【スコア】 シャルケ 2-2 ドルトムント 【得点者】 0-1 49分 香川真司(ドルトムント) 1-1 51分 レロイ・ザネ(シャルケ) 2-1 56分 マティアス・ギンター(ドルトムント) 2-2 66分 クラース・ヤン・フンテラール(PK)(シャルケ)