木村多江の人生を表した究極の器とは? | ニコニコニュース

普段はナレーション担当だが、今回はロケに挑戦! 佐賀・有田を巡った木村多江
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4月23日(土)に放送される「美の壺スペシャル ~有田焼400年 器の宇宙」(NHK BSプレミアム)で、普段はナレーションを担当している木村多江が、佐賀・有田町の窯元を巡り、現地の作家に究極の器作りを依頼するロケを行った。

【写真を見る】木村多江が佐賀・有田の町を歩く

現地を巡った木村と、NHKエデュケーショナルのプロデューサー・佐藤健氏に話を聞いた。

――木村さんは普段、ナレーションをされていますが、今回ロケにも出られました。ナレーションとロケのお仕事、それぞれいかがでしょうか?

木村:ナレーションは、毎回新しい驚きと共に、視聴者の延長でさせていただいております。要望もいろいろとあって「色っぽくやってください」とか、「男っぽくやってください」とか、「ネコっぽくやってください」とか(笑)。それに応えていくというのが一つの楽しみでもあります。

ロケでは、今回初めて外に出掛けさせていただいたのですが、日本の職人さんの手仕事の素晴らしさに感銘を受けています。直接職人さんにお会いすると、普段はカメラで写っているところしか見られなかったものが、写っていないところまで見られて「ああ、こういうことにを普段考えてらっしゃるんだな、気を付けていらっしゃるんだな」とか、細かいことまで見えて、人柄にも触れることになって、この方が作ったものが私が手に取れるんだという喜びも感じることができました。

――有田の町はいかがでしたか?

木村:今回、有田で400年という中で、いろいろと変わっていっているというのを取材に行って見せていただきました。お伺いした窯元に、初期の有田焼の器が落ちているんですよ。そのかけらは有田焼を始められたころに作られたかけらで、ほとばしりみたいなものが伝わってきました。これからまた400年やっていくに当たり、職人の皆さんが試行錯誤していくさまが分かるので、ぜひ番組を見てほしいです。

――そして佐藤さん、あらためて木村さんの起用理由を教えてください。

佐藤:木村さんとは、違う番組でお世話になっていて、木村さんがそういうことにご関心がおありだということは何となく把握しておりました。こういう番組ですので、普通にナレーションをすることと、お芝居をするということと2つ要素があって、あとは和の美をお伝えする番組ですので、和の美しさをいうことを体現している女優さんということを念頭に置いておりました。

やはり和の美しさをたたえていらっしゃって、お芝居もナレーションも落ち着いた感じで、余人をもって代えがたいという感じで、大変幸せな出会いだったと感じております。実際にやっていただいて『すごーい! やっぱり女優だ!』と。副調整室のみんなでわーって盛り上がります(笑)。ディレクターと一緒に「ここはささやくような感じで」とか、「ちょっとはすっぱなおかみみたいな感じで」とか、むちゃぶりするんですけれど(笑)、そのむちゃぶりを「やってみます」というと、本当に返ってきます!

木村:“こいのぼり”でやってくださいとか。「初挑戦…!」と思いながらやりました(笑)。豆皿として喋って下さいとか。妖精シリーズですね。こう、やったことのないことをやるという。そういうのが面白いですね。

――木村さんがナレーションをされていて、ビックリしたテーマや、興味を持ったテーマがありましたらお聞かせください。

木村:ビックリしたのは、ビニール傘の回('15年6月7日放送「雨を楽しむ傘」)です。私はビニール傘はそんなに注目していなかったのですが、ビニール傘にいろいろなデザインがはやっていることを知らなくて、ビックリしました。ネコ好きな方の特集。ネコ尽くしの回('14年11月14日放送「猫づくし」)。ビックリして、ネコ好きな方も多いですし、知ってはいましたが、目からうろこでした。尾道もネコの書いた石を置いているとか、そういうのを作っていらっしゃる作家さんがいるとか、お着物にネコの柄だとか、見たことがなくて、好きだとそれをいろんな形に作り変える…。その幅広さにすごく刺激を受けました。

――番組でナビゲーターを務められている草刈正雄さんとのエピソードがあれば教えてください。

木村:最初に草刈さんとお会いしたのが、「美の壺」の取材会でした。いつもはナレーションの中でしか、映像を通して草刈正雄さんを見ないんですけれど、今は草刈さんはNHKで大河ドラマの撮影をやっていらっしゃって、私は朝ドラをやっているので「すてき!」と思っています(笑)。お隣のスタジオなので、ごあいさつに行ったりしています。

――今回は有田で究極の器づくりを依頼されたということですが、お手元には届きましたか?

木村:はい、先ほど。すごくすてきです。“私のイメージ”で作ってくださいと職人さんにお願いしました。私の最初の芝居を始めたころから現在私の気持ちまでの流れを、すごく抽象的に依頼致しました。「私の人生を表現してください、そして有田の歴史と重ね合わせてください」とお伝えしたら、目が点になってらっしゃっていました(笑)。出来上がった器は、染付もあり、金襴もあり、鍋島もあり…。小さな、ふたの付いている器です。お酒を飲んで、最後にちょっとご飯みたいなものをよそって使いたいなと。ご飯食べ終わった後に中の柄も楽しめる器です。すてきなものを作っていただきました。

佐藤:番組に出てきますので、楽しみしていてください!