長女との経営権争いに敗れた大塚家具創業者の大塚勝久前会長が、一族の資産管理会社「ききょう企画」に対し、社債償還を求めた訴訟の判決で、東京地裁(小野瀬厚裁判長)は11日、請求通り15億円の支払いを命じた。
判決によると、勝久前会長は2008年、長女の久美子・大塚家具社長が役員を務めるききょう企画の社債15億円分と引き換える形で、保有する大塚家具の株式130万株を譲渡。ききょう企画は期限の5年が過ぎても社債の償還に応じなかった。
小野瀬裁判長は、株式譲渡の目的は相続対策で、当初は勝久前会長への償還を想定していなかったと指摘。しかし、「大塚家具の経営方針をめぐる対立で、前提となっていた信頼関係が失われていた」と述べ、前会長の請求を認めた。
勝久前会長と久美子社長は、15年3月の株主総会を前に互いの退任を求めて委任状争奪戦を展開。敗れた前会長は、同7月に新会社「匠大塚」を立ち上げ、今月22日に1号店が東京都内にオープンする予定。
ききょう企画側弁護士の話 主張が認められず、誠に遺憾。今後の対応は、判決文を精査の上、検討する。