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日立金属は4月11日、車載用ソフトフェライトコア材料「ML29D」を開発し、量産体制を整えたと発表した。

ソフトフェライトは自動車電装部品をはじめとするさまざまな電気回路に搭載される軟質磁性材料の1つ。トランス、インダクター部品に使用されるコア材料は、磁心損失がある。この損失は熱に変換され、熱源として周囲の温度を上昇させる要因となり、電子部品の信頼性を損なう要因となりうる。

同社が今回発表したML29Dは、独自の粉末配合技術と粉末加工・熱処理技術により、高温域(140℃)での磁心損失を大幅に低減。低温から高温環境下にわたって優れた磁心損失を持つことから、さまざまな環境のもとで電源回路の消費電力と発熱量を抑えることが可能となっている。

日立金属は、同製品を使用することで、トランスやインダクター部品の高効率化、高信頼性化、小型軽量化がこれまで以上に期待されるとし、今後も素材の特性を引き出す材料開発に注力していくとしている。

(神山翔)