米は核実験禁止条約批准を=ロ大統領、広島宣言意識か

 【モスクワ時事】ロシアのプーチン大統領は11日、声明を出し、包括的核実験禁止条約(CTBT)が米国などの未批准で発効していないことに「深刻な懸念」を表明した。1996年の国連総会でのCTBT採択から20年に合わせた声明としているが、ロシア抜きの先進7カ国(G7)外相会合による核軍縮・不拡散への「広島宣言」を意識し、未批准の米国をけん制したとみられる。

 プーチン大統領は「CTBTは今日まで未発効で、条約の未来は国際社会の全員が地上からの核兵器廃絶に向けて行動するかに懸かっており、発効に必要な批准をしていない8カ国に特別な責任がある」と指摘。米国を念頭に「(未批准国が)世界の安全保障問題解決へのリーダーシップと全権を主張している」と批判した。