安倍晋三首相は14日夜、熊本県を震源とする地震を受け、被害状況の把握や災害応急対策などに全力を挙げるよう関係省庁に指示した。政府は午後11時ごろから首相官邸で非常災害対策本部の初会合を開催。救助などに万全な対応を取ることを確認した。
首相は14日夜、熊本県の蒲島郁夫知事と電話で話し、全力で支援する考えを伝えた。この後、首相官邸で記者団に、「消防、警察、自衛隊が人命救助に努力していく。これからも引き続き救命救助活動に全力を挙げて取り組む」と述べた。
首相は対策本部で、「夜間で全容がまだ明らかでない。被害が多数発生している恐れがあり、対策に全力を尽くす」と指摘。災害応急対策、確実な住民避難、必要物資の確保と医療の提供に万全を期すよう求めた。これに先立ち、(1)地方自治体と緊密に連携し対策に取り組むこと(2)国民への情報提供を適時的確に行うこと―など3点を指示した。
政府は地震発生を受け、首相官邸の危機管理センターに官邸対策室を設置。内閣府の松本文明副大臣を15日に現地に派遣し、被害状況の把握に努める考えだ。同日朝には、2回目の対策本部を開催する。
菅義偉官房長官は14日夜の記者会見で、自衛隊員350人のほか、熊本県外から警察官、消防隊員を派遣して救助などに当たっていると説明。九州電力の玄海原発(佐賀県)と川内原発(鹿児島県)については「異常はないということだ」と報告した。