ひび割れた道路に、電柱が倒れていた。震度7を観測した熊本県益城町では14日夜、複数の家が倒壊し、火災が起きている家屋もあった。役場には着の身着のままで避難した多くの住民が集まり、応急手当てを受けている人もいた。
道路にはひびが入り、陥没や隆起している所があった。路面が数十センチずれている所も。幹線道路に電柱が倒れている。押しつぶされたような家や、火が出ている家もあった。救急車や消防車がサイレンを鳴らしながら行き来した。
益城町役場は停電していた。駐車場に臨時の指揮本部が設けられ、町職員や消防隊員らが地図を広げて被害状況を確認。ホワイトボードに「下敷き」などの被害が次々に書き込まれた。住民200人以上が自宅から逃れ、屋外に敷かれたビニールシートや段ボールの上で毛布にくるまり、余震におびえていた。大きな余震が起こると消防車が倒れそうなほど横揺れし、悲鳴が上がった。
同町宮園のパート女性(54)は家族4人で避難してきた。「突き上げるような縦揺れで、立っていられなかった。家の中はめちゃくちゃで冷蔵庫や洗濯機も位置が大きくずれた」。女性は青ざめた表情で話した。
町内にある熊本空港によると、地震発生は最終便の到着から時間がたっていたため、利用客はおらず大きな混乱はなかった。町中心部の状況が確認できず、職員を呼び出せないので空港にいた職員約10人で滑走路などの安全点検を続けている。