4月14日夜、熊本県で最大震度7を観測した地震の発生後、ツイッター上では「関東大震災」を思わせるデマのツイートが飛び交った。
「熊本の朝鮮人が井戸に毒を投げ込んだぞ」「熊本では朝鮮人の暴動に気をつけてください」といったものや、「火事場泥棒を狙ってくる不届な国がすぐ近くにありますから」といった記述が見られる。
「井戸云々のをネタだと理解できない無能はネットやめて、どうぞ」というように、本人や擁護派たちは「ネタ」のつもりでいるようだ。しかし、こうした態度に、ネット上では「何でもかんでも『ネタ』ですませようとする連中にはいい加減ウンザリ」といった批判の声が上がっている。
猪野亨弁護士は、これらのツイートを「定義にもよりますが、ヘイトスピーチと言えるでしょう」と説明する。
「ネットで不特定多数に向かって発信している時点で、『ネタ』というのは詭弁です。特定の個人を対象としているわけではないので、名誉毀損などに問われることはないでしょうが、冗談では済まされないでしょう。震災にかこつけて差別的な発言をし、自分たちの存在を目立たせようというのは悪質と言えます」
(弁護士ドットコムニュース)
【取材協力弁護士】
猪野 亨(いの・とおる)弁護士
今時の司法「改革」、弁護士人口激増、法科大学院制度、裁判員制度のすべてに反対する活動をしている。日々、ブログで政治的な意見を発信している。
事務所名:いの法律事務所