NTTドコモがサービス中のスマートフォン向けRPG「Heaven×Inferno」(iOS / Android)は,「スターオーシャン」シリーズや「ヴァルキリープロファイル」シリーズでおなじみのトライエースが開発を担当するタイトルだ。神,悪魔,人間が織りなす壮大なストーリーや,スマホゲームの限界に挑んだ高品質な3Dグラフィックス,キャラクターアイコンをなぞるだけで爽快なコンボを繰り出せるバトルシステムなど,見どころの多い作品である。
本稿では,そんなHeaven×Infernoを実際にプレイした印象を交えつつ,ゲームの概要を紹介していこう。
本作の舞台は,神,悪魔,人間が存在する神話をベースにした世界。神と悪魔の千年戦争が終結し,人類は平穏の日々を送っていたが,ある時から,人の身に天使や悪魔が宿り,理性を失って暴れまわるという事件が頻発するようになる。
以上が,本作の簡単な導入ストーリーだ。ちなみに本作のシナリオを担当した成田良悟氏は,「バッカーノ!」や「デュラララ!!」などを代表作に持つ作家だが,一見重そうな本作の世界観を踏まえつつ,起伏に富んだストーリーをテンポよく描いている。カタすぎず,かといってユルすぎもしない本作のストーリー展開は,スマホ向けRPGにとてもマッチしている印象を受けた。
トライエース作品らしく,登場キャラクターも実に魅力的だ。生真面目な性格のクールビューティ「アルスヤ」や,お調子者のムードメーカー「ロイム」。何だか色々とワケありっぽい感じのロリっ娘「マリオフ」など,ストーリーの中核を担うメインキャラクターが丁寧に描かれている。
■トライエース作品らしいバトルシステムをスマホ向けにブラッシュアップ
本作のバトルでは,画面右下のキャラクターアイコンを指でなぞる,もしくはタップするだけで,キャラクターが自動的に攻撃を行ってくれる。攻撃の種類によって,攻撃が敵へヒットするまでの時間が異なるため,コンボを成立させるには上手くタイミングを取ることが重要になってくる。とくに,魔法系の攻撃は発動までにやや時間がかかるので,バトルを繰り返して少しずつタイミングを把握していこう。
また,味方キャラクターが使う武器には,それぞれ違った特性がある。例えば,ガンブレードと剣は敵を打ち上げるのに有効。ハンマーと鎌は叩きつけ,杖(魔法)はガード無効など,それぞれ得意とする分野が異なるのだ。
バトルには,パーティ共有のAPゲージが設定されており,味方が1回攻撃するごとに1つずつ消費されていく。基本的には,APゲージの数だけ味方が攻撃ができるという仕組みと考えていいだろう。
また,敵を攻撃するごとに溜まっていくスキルゲージがマックスになると,アクティブスキルを発動できるようになる。これは他のゲームでいうところの必殺技のようなもので,通常攻撃よりも多くのダメージを与えられるスグレモノ。単体系,全体系,回復系,補助系などバリエーションも豊富で,必殺技を繰り出す際の演出も凝っているので,ここぞという場面では惜しまず使っていきたい。
■フィールド・アバランチで階層移動
本作でもっとも特徴的なシステムは,何と言っても「フィールド・アバランチ」だ。
フィールド・アバランチを発動させるには,コンボを繋ぐことで溜まっていくゲージがマックスのときに,打ち上げか叩きつけを決める必要がある。ゲージは結構溜まりやすいので,一回のバトルで数回のフィールド・アバランチを発生させることも可能だ。フィールド・アバランチを発生させると,APやHPの回復玉が出現するので,手強い敵とのバトルには欠かせないシステムといえる。
そのほかにもバトルには,フィールドギミックという要素も盛り込まれている。これは階層ごとに設置された特殊効果のことで,敵味方関係なく影響を受けるという少々やっかいなもの。
ボタンを押すタイミングを工夫してコンボをつなげていくバトルシステムということで,トライエースの代表作「ヴァルキリープロファイル」を連想する人もいそうな本作。しかし,バトルのテンポはそれよりもやや遅めで,どちらかというと(同じくトライエース開発の)「イグジストアーカイヴ」に近いかもしれない。
トライエースが開発ということで本作に注目しているRPGファンも多いかと思うが,ミドル〜コアなRPGプレイヤーなら間違いなく楽しめる作品といえるので,興味のある人はぜひ一度試してみてほしい。
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