じゃがいもといえば、カレーに入れる定番野菜の1つ。だが、一部から「なぜ必要なのかわからない」「味に貢献していないのでは」といった厳しい意見も聞こえてきた。
そこでまったく同じ条件で、じゃがいもあり、なしのカレーを試してみた。
まずは「あり」。カレー部員の反応は「いつものカレー」「フツーにおいしい」とおおむね好評といったところ。ところが、じゃがいもなしを試すと「カレーの輪郭がくっきり!」「舌ざわりなめらか」と絶賛の嵐。その後、もう一度「あり」に戻ると「なんとなくぼやけた味……」と顔を曇らせる部員も。
調べてみると、一般の家庭でカレーにじゃがいもを入れるようになったのは、今から約100年前のこと。明治初期の料理書に載っているカレーには、じゃがいもの記述はない。「なくてはならない」わけではなかった!
【いもあり】△フツーにおいしい
【いもなし】○味がくっきり!
カレーにおける肉の扱いも、永遠の問題と思われていた。だが、試すと違いははっきり味に反映された。焼かずに煮込むと、柔らかいけれど肉の味がスカスカに(しかもソースの味は変化なし)。焼いてのせた場合は、若干硬いが肉の味が濃い。双方のいいとこ取りをしようと、焼いて煮込んでみたらビンゴ!
【煮込む】△フツーに旨い
【焼く】○味が濃いぞ
【焼いて煮込む】◎味が濃くて柔らか!!
よく「玉ねぎは飴色になるまで炒める」と書いてあるが、時間もかかるし、正直面倒くさい。透き通るまで炒めれば十分。というか、なんならそのまま入れてもという部員の声も。
実際、さっと炒めた程度の玉ねぎでも十分おいしく感じられた。やはり飴色にすべし、というのは神話だったのか……。しかし、次に運ばれてきたカレーを口にした瞬間、先のカレー部員の顔色に飴色よりも深い反省の色が。「まったくの別物!」「格が違う!」と色めき立つカレー部員。「飴色玉ねぎの深い甘味が、よりカレーの風味を引き立たせている」と感嘆の声を上げる部員も。
食べ比べると、飴色玉ねぎのほうは、味に膨らみと奥行きが感じられる。
「これほど味が変わるとは、文字通り飴色玉ねぎを甘く見てました!」
部員のコメントもキレキレだ。
【普通の玉ねぎ】△フツーにおいしい
【飴色玉ねぎ】◎格別の味
飴色玉ねぎづくりに最適なカットを検証した。最速は薄切りが30分で飴色に。みじん切りは飴色一歩手前になった。細かければいいというわけでもないのだ。
一方、30分続けてもその努力が実らなかったのはくし形切り。加熱ムラができてしまい、無残にもただ焦げていくだけだった。
【くし形切り】×焦げやすいし時間もかかる
【みじん切り】○薄切りに一歩及ばず
【薄切り】◎最速&最甘