電車内は観察し甲斐のある場所だ。ときに思いもかけない行動をする人を目にして、ギョッとさせられることもある。今回は「教えて!goo」に寄せられた「電車内ビールはマナー違反でしょうか?」という相談を紹介する。
「電車内でのファーストフードとビールがマナー違反」との記事を目にした相談者さん。週末の行楽帰りや休日出勤時の帰宅時、電車内が空いている場合に限り、ビールを飲むという。平日の通勤時にはもちろん飲まない。これについて、酔って周りに迷惑をかけているつもりはないが、嫌な人もいるのか、匂いが問題になるのか、と尋ねている。
■電車は飲食する場じゃない
案の定、賛否両論あるようだ。まずは肯定的な意見から見てみる。
「市街地の中心を走る混雑した電車であれば、マナー違反でしょうが、週末の行楽電車であれば問題ないと思います。週末の行楽帰りに、市街地の休日出勤時の帰宅者が多い電車に乗る時は注意したほうがいいかもしれませんね」(gouzigさん)
「時と場合による」と判断するのが妥当だ、と考える人は一定数いた。一方で、「非常識だ」と捉える見解も少なくない。
「戦後の貧しい時代なら、在来線での飲食も許されたでしょう。しかし、今や先進国を謳っている国です。少なくとも、在来線内で飲食せず、ホームで食えば良いと思います。ホームなら、誰も文句ないでしょう」(area_99さん)
「飲食する場所ではない、というのが電車に対するイメージですので、空いていても目の前でビールや缶チューハイを飲まれると嫌な気分にはなります」(koiprinさん)
水やお茶、ジュースなどのソフトドリンクを飲むことについて、とやかく言う人は見受けられなかったが、アルコールとなると「別物」として認識されやすいのだろう。
■迷惑か否かは人様が決めること
最後に「迷惑をかけていない」とする相談者さんの見解について、一言物申したい人はかなり多かった。一部の意見を紹介しておこう。
「別に酔って迷惑をかけるでもないし、という思考は本人の勝手な思い込みです。実際、酔ったことがない、酒が強いという言い訳はあるかと思います。しかしジュースでその人が変化することはなくても、ビールは人によっては、変化する飲み物になります。他人のアルコール息を密室で吸わされるのは嫌なものです」(rukking15kさん)
「迷惑のラインは人が決めること。酒を飲んでもシラフのときと同様にいられますか? だいたい電車で酒を飲んでいる人はうるさいです。ほろ酔いで仲間同士話を楽しんでいるのでしょうがうるさいです」(Oreloさん)
何が迷惑か、何が常識的・非常識的な行動かは、それらをする側ではなく、それらと対峙する側が決めることだ、との主張が目立つ。確かに、それらを受け取るのは他者である。
同じ電車の同じ車両に乗り合う人とは、二度と会うことはないかもしれない。むしろ、会わない可能性の方が高いだろう。とはいえ、あえてそこで取る必要のない行動で、見知らぬ他人を不快にさせるのもおかしな話である。
敵はつくらないほうがいい。そう考えるとその行動をすべきか、すべきでないか、自ずとわかるのではないだろうか。
オーロラ・スシ(Ikeda Sonoko)