一般社団法人日本レコード協会は、4月8日に「日本のレコード産業2016」を発行した。このレポートは毎年協会が前年の日本のレコード産業の概要を網羅したものだ。2016年はA4判24ページとなっている。
レコードの生産実績や有料音楽配信売上げ、さらに新譜やカタログ数など統計数字を中心にまとめている。日本の音楽産業を知るうえでも貴重な資料だ。日本レコード協会では、このPDF版を協会サイトで無料配布しており、手に取り易いのもありがたい。
「日本のレコード産業2016」によれば、2015年の音楽CD、DVD/Blu-ray、それに有料音楽配信は比較的堅調だった。オーディオレコード(CD/アナログディスク)と音楽ビデオ(DVD/Blu-ray)、それに有料音楽配信を合計した売上高は3015億円と前年比で1%増となった。伸び率は小さいが、3年ぶりのプラスになった。長期低落傾向が続くマーケットだが、近年の下げ止まりが反映している。
オーディオレコードは1826億円(2%減)、1億6965万枚(2%)と、金額と数量がいずれも微減である。一方で、邦楽は数量で4%増(1億4564万枚)、金額で1591億円(2%増)と伸びている。一方で洋楽が落ち込んでおり、邦楽、洋楽の比率は87対13と邦楽の存在感が増している。
アニメについては、2015年に新譜タイトルが明らかにされている。2015年に日本で発売されたアニメのCDシングルは550タイトル、アルバムは472と合計で1022に達した。これは過去最高となっている。2014年の828(シングル420/アルバム408)、2013年の832(396/436)、2012年の960(494/466)、2011年の847(345/502)など比べても高い水準だ。近年のアニメ音楽の盛況や、音楽のもとになるアニメ作品の制作の増加も反映している可能性が高そうだ。
「日本のレコード産業2016」