【サンパウロ時事】キューバ共産党の第7回党大会が16日、開幕した。5年ぶりとなる大会では、2030年までの経済や社会の開発計画などを討議する。18年に一線を退くカストロ国家評議会議長は冒頭、「われわれは急ぎ過ぎることも、遅れ過ぎることもなく改革を進める」と演説。「カストロ後」の国家像に布石を打つ考えを示した。
カストロ議長は、80代の革命世代が要職を占める指導部の若返りを打ち出している。政治局メンバーでは、ディアスカネル国家評議会第1副議長(55)やロドリゲス外相(58)ら、次世代を担う人材の処遇が注目される。
昨年7月に米国と国交を回復したキューバにとっては、「社会主義体制の堅持」(カストロ議長)とともに、民間経済部門の活性化も大きな課題。急激な変化への警戒感が強い中、自営業の拡大や、食料自給率向上を目指した農業の生産性改善などの改革を進め、新たな経済モデルを打ち出せるかが焦点だ。
カストロ議長は、医療や教育の無償化を維持する考えを強調する一方、「国家の発展には外国からの投資が欠かせない」と語った。