国重文5カ所に甚大被害=「修復20年後も」―熊本城
熊本城総合事務所は17日、熊本地震による城の被害状況を発表した。城内に計13カ所ある国指定重要文化財のうち、石垣の崩落で建物が傾くなど5カ所が甚大な被害を受け、残る8カ所も壁にひびが入るなどした。
河田日出男所長は「被害状況の詳細が把握できていないため見込みが立たないが、修復には5〜10年、あるいは20年かかるかもしれない」と話した。
同事務所によると、国内最長の塀建築遺構である「長塀」や、「東十八間櫓」「不開(あかずの)門」などの国重文が半壊状態となった。約400年前の築城当時から残る「宇土櫓(やぐら)」は大きな被害を免れた。
1960年に復元された天守閣も屋根瓦の大半が剥がれ、しゃちほこも落下した。崩れた石垣が散乱するなど城内は危険な状態で、当面は閉園を続ける。