逆SEO発覚を報じる記事が検索トップに…
何もしなければ忘却の彼方だったものを…。
2011年11月に「ウォール街を占拠せよ」で全米のキャンパスが荒れたとき、抗議デモの学生に警官が催涙スプレーを浴びせる映像で一躍有名になったカリフォルニア大学デイビス校が、あの忌々しい事件映像を検索結果から消し去ろうと考え、そのジョブを業者に依頼。逆SEO対策に少なくとも175,000ドル(1,900万円)も支払っていたことがわかりました。
地元紙サクラメント・ビーが、州情報公開法で入手した記録で明らかになったもの。
それによると、2013年1月にメリーランド州のNevis&Associates社に月15,000ドル(約163万円)の契約で「大学と総長の検索結果から催涙スプレー事件の関連情報や悪意ある論調のものを消す業務」など頼んだほか、2014年6月にはID Media Partners社に82,500ドル(約900万円)で「検索結果管理戦略の立案・実行」を依頼していた模様です。
大学広報のDana Topousisさんは同紙に「大学の名誉回復のためにやった」と言ってます。そんなことしたって、この事件映像はそうそう簡単には消せないんですけどね…。
動画には「検索で埋めるのにそんな大金を払っていたのか! よし、また上げてやる!」と、たくさんのコメントがついてますよ。
それにしても1900万円って…オンラインの風評管理はいい商売ですね。政治家、セレブ、名士は金に糸目をつけませんから。業種の会社で働いていた元社員は2013年にBusiness Insiderにこんな風に語ってます。
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「検索結果を操作するのは大変なぶん、やり甲斐がある仕事だよね。[...]ボロクソ書いてる記事を検索のトップページから2ページ目にやっと埋めたときには、ある種の達成感のようなものも味わえる」
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一方、ニューヨーク在住の匿名社員はNYタイムズにこう話してます。
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「(2008年の金融危機のときには)マスコミに出た名前をオンラインから消す仕事に月1万ドル(108万円)以上出すバンカーもいた」
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月100万円…!
まあ、今や泥臭いウィキペディアの修正なんかはNY市警もCIAもFBIも議会もみなやってます。欧州みたいに「忘れ去られる権利」で削除要請できたら、こんなに業者に払うことはないのだろうけど、あれはあれで削除要請したことがバレるともっと恥ずかしいって話もありますし。
因みにこのUCデイビス催涙スプレイ事件。払った割には逆SEOはサッパリで、未だに「UC Davis」と入力すると検索候補に「UC Davis pepper spray」が出てきて117,000件ヒットします…って、それは原文公開段階であって、今訳者が検索したら1日で306,000件に増えてました。元の木阿弥。
image: Mister Sterling
source: Sacramento Bee
Sophie Kleeman - Gizmodo US[原文]
(satomi)