交通、ライフライン一部復旧=断水解消進む、空港再開へ―2人死亡、犠牲者44人に | ニコニコニュース

 熊本県を中心に相次いでいる地震で、被害の大きかった同県南阿蘇村では、18日午後も自衛隊や警察などが行方不明者の捜索を続け、土砂崩れ現場から男女2人を発見した。いずれも死亡が確認され、地震による死者は44人になった。残る行方不明者は8人になった。重軽傷者は1100人を超えている。マグニチュード7.3の本震の発生から、生存率が急激に低下するとされる72時間が19日未明で経過。自衛隊などは引き続き不明者発見に全力を挙げる

 午後8時41分ごろには、同県阿蘇地方を震源とする地震があり、阿蘇市や大分県竹田市で震度5強の揺れを観測した。震度5以上の観測は16日以来。

 18日には鉄道や道路など交通網の一部が復旧、救援物資搬送の滞りの解消が期待される。熊本空港は19日から一部の便で運航を再開。ライフラインも、熊本市の断水が同日朝までに解消見通しとなるなど、復旧が進んだ。

 死亡した女性は高齢とみられ、6人と連絡が取れていなかった南阿蘇村の河陽地区で見つかった。男性は宿泊施設「火の鳥」がある長野地区で発見された。崩落した阿蘇大橋付近で不明となった別の男性1人の捜索は、二次災害の恐れから開始できていない。

 JR九州によると、運休していた鹿児島線の荒尾―熊本間は18日午後に運転を再開。福岡市と熊本市が在来線で結ばれた。

 九州新幹線も、脱線した回送列車を撤去するため1両目を線路に戻す作業が始まった。ただ、レールや施設に100カ所以上の破損があり、運転再開の見通しは立たない。

 国土交通省などは、南阿蘇村での土砂崩れのため不通となっている国道57号の代替ルートを整備、18日正午から通行可能となった。これにより熊本市と阿蘇地域が主要道路でつながった。

 ライフラインでは、同日午後7時現在で、断水していた熊本市内の約32万世帯のうち約26万世帯に試験給水が開始された。19日朝までに全世帯で断水が解消される見通し。

 九州電力によると、同県益城町の停電は、倒壊家屋など一部を除いて解消。一方、阿蘇市や南阿蘇村では多くの世帯で停電が続いている。西部ガスによると、18日午後現在で約10万5000世帯の都市ガス供給が止まっている。

 熊本県によると、18日午後1時半現在の避難者は約9万3000人。

 在日米軍は18日午後、垂直離着陸輸送機MV22オスプレイで、被災地への救援物資の空輸を開始した。米軍による被災地支援は東日本大震災以来。