文:編集部 ミル☆吉村
●茹でソーセージ派の人はお帰りください
Increpare Gamesの『Stephen's Sausage Roll』を紹介する。本作のプラットフォームはPCで、Steamなどで配信中。なおSteamでの価格は2980円。
本作はソーセージを焼いていくパズルゲーム。フォークを持った自機を操作してソーセージを動かしたり転がしたりして鉄板の上に乗せ、ジューッと焼いていく。
●哲学的問い:なぜ我々はソーセージを焼くのか?
ほとんどノーマークの状態からリリースされ、インディーマニアを沸かせている本作。その秘密は、シンプルなルールとゆるゆるなサウンド&グラフィック(絶妙にエッジが歪んだローポリスタイル)とは裏腹の、ハードコアで高難度なスタイルにある。
なんせ本作は、タイトルにあるスティーブンとは誰なのかも、なぜソーセージを焼くのかも説明しないし、チュートリアルすらも存在しない(一応、開発者の名前がStephen Lavelleなのがタイトルの元ネタではある)。ゲームをスタートするとRPG風のオープンフィールドに放り出され、「マップ上の半透明のマークに自機を重ねるとスタート」ということに気がつくまで、ソーセージを焼かせてくれもしないのだ。
そしてソーセージの焼き方(=パズルの解き方)についても説明してくれない。プレイヤーはソーセージを落としたり、焦がしたりする内に、すでに述べたような基本ルールを学んでいくことになる。どの面から解くかは特に決まっていないのだが、とにかく第1問目から解法を探さなければいけないのだ。
万事がそんな具合なので、とても万人にオススメできるタイトルではないのだが、不条理な部分はなく、(腸詰めだけに)詰め将棋的に頭を働かせればいいだけだし、ソーセージが上手に焼けた時は絶妙に気持ちいい(なおクリアー状況は解いた面数ではなく、焼いたソーセージの本数で表記される)。コンセプトを聞いて我こそはと思うソーセージ焼き職人、もといパズルゲームファンの人は、ソーセージ盛りを3000円分食ったつもりでチャレンジしてみてはいかがだろうか。