ディースリー・パブリッシャーが2016年4月21日に発売するPlayStation Vita用ソフト「バレットガールズ2」は,さまざまな制服に身を包んだ美少女達が銃撃戦を繰り広げるTPSの第2弾だ。
前作は“美少女+銃器”という,いかにも日本的な設定で話題を呼んだが,今作はゲーム性や操作性が大きく進化を遂げ,TPSとして遊びやすくなっている。そんな本作のプレイレポートをお届けしよう。
リンク:「バレットガールズ2」公式サイト
バレットガールズ2は,「レンジャー部」に所属する乙女「バレットガールズ」の戦いを描くTPSだ。バレットガールズは特殊な衣装に身を包んで「模擬戦」に出撃。敵の全滅から兵器の破壊まで,さまざまな任務をこなしていく。
前作同様,主人公は「私立岬守学園」に所属する火乃本 彩。さらに今回は,ライバル校の「私立エルダ学院」も参戦し,両校の面々が因縁やライバル心でぶつかり合うスポ根部活モノとしての側面が強調されている。
■「剥ぎ取り」システムが,
三つの銃器を携え,身体を守る特殊な衣装と,能力をアップさせる「おブラ」「おパンツ」に身を包んで戦う本作では,直接戦場で戦う「アタッカー」と,後方から補佐する「サポーター」が2人1組となってさまざまな任務に挑む。
なお,エイミングは前作同様,右スティックで行うことになるが,今作では「敵が照準の近くにいる場合,武器を構えれば自動で狙いを付けてくれる」というエイムアシスト機能が追加されており,かなり遊びやすくなっている。
ただし,エイムアシストによってエイミングする楽しさ,重要さが失われたわけではない。というのも,エイムアシストだけに頼っていたのでは,敵は倒せるが,新たなおブラやおパンツを手に入れられないのだ。
おブラやおパンツはキャラクターの強化に密接に関わっているうえ,資金源にもなるため,できるだけ剥ぎ取っていきたい。そのためには,うまく照準を動かして狙いを付け,衣装を破壊していく必要がある。
むき出しの部分に攻撃を当ててしまうと敵のHPが減ってしまうため,剥ぎ取りをしたいなら衣装の部分だけを正確に狙う必要がある(ロケットランチャーをうまく当てると衣装を一気に吹っ飛ばせるという救済措置は残されているが,弾速が遅いため万能というわけではない)。つまり,衣装の種類や状況に応じて狙い方を変えなければならないわけだ。
多くのTPSでは,敵の弱点を撃つと大ダメージを与えられたり,撃たれた位置によってリアクションが変化したりするものだが,“敵を倒さずに全ての部位を破壊する”という行為に意味を持たせた点は,本作ならではと言えるだろう。
なお,おブラとおパンツには「スロット」の数だけ,能力値をアップさせるアイテム,マテリアルをセットすることができる。前作ではおブラとおパンツ自体に能力値補正が付いていたため,ファッションの自由度と能力値補正の両立が難しかったことを考えると,嬉しい改変である。
初期装備だとスロットは一つだけだが,敵から剥ぎ取れるものはスロット数が多く,なかには八つ以上もスロットが空いているものもある。マテリアルの効果は,HPの上限値を上げたり,武器の射程を伸ばしたり,リロードを早くしたり,自動で照準を付けてくれたりとさまざま。マテリアルを多く付ければそれだけキャラクターが強くなるというわけだ。
■個性豊かなバレットガールズを組み合わせ
今回のバレットガールズの面々は,専用武器と「SOD」(アタッカー/サポーター)により,前作より明確な個性が付けられている。また,衣装ごとに特性が異なっているため,アタッカーとサポーターの組み合わせや,どの衣装を着るかを考えていくのが楽しい。
SODはバレットガールズの固有スキル。アタッカー,つまり操作キャラクターとして選んだ時に使えるSODは「ボタン発動」「常時発動」の2系列が存在。また,サポーター用のSODは,そのキャラクターをサポーターに据えた時の補助効果だ。
スナイパーライフルのリロードが早い高梨月代に,銃弾を大きくして当てやすくするサポートスキルを持つ天峰咲姫を組み合わせて狙撃をやりやすくしたり,回避の無敵時間が長い天峰咲姫に,近接攻撃ダメージアップの神代海凪を組ませて回避からの近接攻撃を狙ってみたりといった具合に,組み合わせによって得られる効果はさまざま。
衣装の選択も大切な要素だ。前作では見た目を変えるのみだった衣装だが,今回は頭を除いた全身を平均的にカバーする制服系,手足はむき出しだが胴と腰の守りに特化した体操着系など,それぞれに異なった特性が与えられている。
■対兵器戦と敵バレットガールズを制し
バレットガールズが挑む任務はさまざま。敵を全滅させたり,自陣を守ったり,味方を護衛したり,敵兵器に生身で立ち向かうようなものもある。
ゲームのアクセントとなっているのが,さまざまな兵器類との戦いである。圧倒的な破壊力を持つ戦車,敵兵を送り込んでくる輸送機や装甲車,空中から襲ってくる戦闘ヘリ,そして連装砲を備えた護衛艦までその種類は多彩。正面から突っ込んで行ったのでは返り討ちに遭うため,物陰に隠れたり,背後に回り込んだりといった策が必要となる。
また,兵器類は装甲が厚いため軽火器では効果が薄いのも特徴だ。具体的には武器に設定された「対物攻撃力」のパラメーターが重要となる。アサルトライフルやショットガンなど対人用軽火器はこの値が低く設定されているため,対兵器用にバズーカや手榴弾を使ったり,早乙女陽希のようにバズーカ系兵器の対物攻撃力をアップしてくれるサポーターを選んだり,戦車なら背面,ヘリならローターといった弱点を狙うといった工夫が必要となってくる。
そしてクライマックスとなるのが,敵校のバレットガールズとのバトルだ。バレットガールズは専用武器を装備しているうえ,衣装の耐久力も高く,こちらが攻撃をかけると機敏に回避するなど,まさに別格の存在。
前作に存在していたさまざまな課題を解決し,操作性も改善(例えばダッシュボタンを押しっぱなしにしたままで障害物を乗り越えたり,ガケを飛び越えられるようになっていたりもする)したうえで,難度も3種類から選べるようにするなど,さまざまな側面から完成度を高めたと言える本作。お色気面がピックアップされることの多い作品だが,ライト寄りなTPSとしてもなかなか遊べるというのが正直な感想だ。手軽に遊べるTPSを求めているならば,選択肢の一つに入れてみても良いだろう。
リンク:「バレットガールズ2」公式サイト
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