今年のエンタメ作品には「感染異形モノ」が多い。まず、4月期アニメの目玉といわれている深夜アニメ「ノイタミナ」枠の『甲鉄城のカバネリ』。アニメ『進撃の巨人』シリーズを手がけたスタッフによる“鋼鉄で覆われた心臓を持つ生ける屍=カバネ”と人間との生き残りを懸けた戦いを描いた作品だ。また今年2月に封切られた映画『マギー』は、ウィルスに感染し、やがてはゾンビとなってしまう娘マギーを見守る父親をアーノルド・シュワルツェネッガーが熱演し、その抑えた演技で新境地を開拓したと話題になった。
そして、明日4月23日から日本を舞台にした新たな「感染異形モノ」が映画館で大暴れする。謎の感染で発生した生命体「ZQN(ゾキュン)」が人々に襲いかかる絶叫パニック映画『アイアムアヒーロー』が全国東宝系で公開となるのだ。原作は花沢健吾の累計600万部を超える人気コミック。この作品はブリュッセル国際ファンタスティック映画祭で、グランプリにあたるゴールデン・レイヴン賞、シッチェス(スペイン)、ポルト(ポルトガル)の両ファンタスティック映画祭でも、ともに観客賞などを受賞し、世界三大ファンタスティック映画祭すべてを制覇する快挙を成し遂げている。女子高生・比呂美(有村架純)と元看護師の籔(長澤まさみ)とともに感染パニックの中で戦い抜く主人公・英雄を演じた大泉洋さんにインタビューを行った。
――主人公の英雄を演じてみていかがでしたか。
誰だってうだつの上がらない自分っているじゃないですか。そんな自分の嫌なところがいっぱいある中で、今回僕が演じた鈴木英雄はその人々の嫌な部分を代表するような人ではありましたよね。どこかでは変わりたいと思うし、どこかではがんばりたいという思いがあって、共感できるなと思いました。
――壮絶なシーンが多い内容の映画ですが、撮影で一番壮絶だったのは?
韓国で撮影したタクシーのシーンは壮絶でした。本当に車をぶつけて回転させる技術を持った人がいるんですよ。(佐藤信介)監督はなかなか納得いかず、これ大丈夫? っていうくらい車がボコボコになってるんだけど、続けるんだよね。ストイックすぎるでしょと思って見てました(笑)。撮影しているカメラマンさんが監督と学生時代からの仲間なんですよね。どちらも相当な映画好きなんですよ。監督はOKって言ってるんだけど、カメラマンがこういうカット要りません?って提案して、監督も『じゃぁ』ってカット増やしてくんですよね。このシーンはいつ終るんだと思ってましたね(笑)
――大泉さんといえば、ロケで雨を呼び寄せるというジンクスがありますよね。
……(笑)。韓国ロケはなかったんですけど、有村ちゃんと逃げてるシーンで1日降りました。でもそれがなんかまたいいんですよ。雨の中、寄り添う二人みたいなのがね。撮られてる僕らは相当大変でしたけどね(笑)。もうやめましょうよ、これだけ雨が降ってんだから撮れるわけないじゃないですかって、思うんですけど撮り続けるんです。二人で寝てるっていうシーンがあって、暗くなって二人で寝てるわけですよ。そこに雨が降ってるので、この日はもう帰れると思うじゃないですか。……撮るんですよ。雨ですよ。雨の中撮り続けるんです。
――雨のおかげでいいシーンも撮れたようですが、相当な数のカットを撮影されたんですね。
この映画がこんなに迫力があってスピード感もあるっていうのはさまざまなカットをたくさん撮っているからなんですよね。大変でしたが(笑)。佐藤監督は、“完成した作品”は抜群にかっこいいんですよ。撮影が大変でも絶対この監督はおもしろい映画にしてくれるっていう信頼があるんですよね。役者はそれに一番弱い。どんなに大変でも信頼しているからこそ監督には従うしかないんですよね(笑)。
――大泉さんといえば、トイレ環境を人一倍気にされますが、韓国はいかがでしたか?
韓国で撮影している時にお借りしていたトイレには洗浄機がついてました。ありがたかったですね。ホテルにもついてました(笑)。トイレ環境も良いし、僕、もっと韓国が好きになりました。韓国すばらしいじゃんと思いました!
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衣装協力
Ⓒ2016映画「アイアムアヒーロー」製作委員会 Ⓒ2009花沢健吾/小学館
(佐藤史恵)
教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)