パニックホラーという日本ではあまり観られないジャンルの映画『アイアムアヒーロー』に挑戦した大泉洋が、過酷だったが楽しかったという韓国での撮影の様子を語った。原作は花沢健吾の大ヒット同名コミック。大泉が演じるのはうだつの上がらない漫画家アシスタントだったが、謎の感染症によって人が変貌した不気味な「ZQN(ゾキュン)」が街にあふれることで、生き残りを懸けて戦うことになる主人公だ。
本物の銃の使用、派手なカーアクション、閉鎖された広大なアウトレットモールでの撮影など、日本では撮れない映像を求めて行われた韓国ロケについて、大泉は「体力的にも精神的にも過酷でした。家族に会えないのが一番つらかった」と連日深夜まで続いた撮影を振り返った。「娘と一緒に遊ぶときの娘の笑顔を見たり、抱きしめたりするのが何よりの癒やし。それがないのがキツかった」とほぼ1か月続いた単身赴任状態を嘆いた。しかし、「韓国の方は我々のことを知らないので、共演者のみんなと気軽にその辺を歩いていました」と日本では体験できない楽しい思い出も明かした。
共演は、大泉が「2人だけのシーンも多かったので、もはや戦友のような存在」と語る有村架純と、「僕とはトムとジェリーみたいな関係。カッコよくて大人の色気もある」と絶賛する長澤まさみ。そのほか吉沢悠、岡田義徳ら豪華俳優陣なので、確かに日本の街中では気付かれてしまうだろう。撮影後にキャストやスタッフは、ホテルの前のコンビニにあった飲食スペースで、リラックスしながら楽しんでいたという。「みんなでそこで飲んでいました。贅沢な時間でした」と貴重な「普通の時間」を懐かしんだ。
韓国ロケのおかげで「ハリウッド映画みたいに圧倒的な爽快感がある映画になりました」と胸を張る大泉。これまで経験したことがないほどスケールの大きな撮影だったようで「観てくれた人に絶対後悔させない自信があります」と断言した。(取材・文:早川あゆみ)
映画『アイアムアヒーロー』は4月23日より全国公開