黒柳徹子のエッセイをドラマ化した『トットてれび』の第一話試写会が21日、NHK放送局にて行われ、主人公・黒柳徹子役の満島ひかりと、100歳の黒柳本人を演じる黒柳徹子が登場した。満島は劇中同様、“タマネギ頭”で登場。「これ(カツラ)をつけると強くなれる感じ。自由に表現できる。この髪型とメイクをしただけでみんなが優しくなる気がします」と嬉しそうに語ると、黒柳は「この髪型はキレイな方には似合うんだなと思いました」とコメントした。
テレビ放送が始まった昭和28年にNHK専属テレビ女優第一号となって以来、テレビとともに歩み続けてきた黒柳徹子。本作ではテレビ草創期から『徹子の部屋』、『ザ・ベストテン』の時代まで、森繁久弥、渥美清、坂本九、向田邦子らとの交流や友情を描いている。
満島と黒柳の縁は、満島が連続テレビ小説『おひさま』(11)に出演した際、「自分の役の将来の姿をぜひ徹子さんにやっていただきたい」と直談判しに行ったところから始まった。今回ドラマ化のオファーを受けた黒柳は、「満島さんがやってくださるならいいですよ」と話したという。
一方満島は「徹子さんに会った時に、自分の魅力を全部表現できるパワーのある方だなと思って、そんな役を私にはできないと思ったんですけど、『テレビでもう一度遊びたい』という演出家の言葉に感銘を受けて」と引き受けた決めてを語った。
出来上がった第一話では、実際の黒柳の若い頃を映したかのように満島が見事に“黒柳徹子”として生きているが、黒柳は「(劇中の)ちょっとしたセリフでも私が本当に言いそうなことを言ってて面白かった」とコメント。「私は普段番組では笑わなくて、お笑い芸人の方には評判が悪いんですけど(笑)、このドラマは観て笑えたので相当面白いんだと思います」と絶賛した。
現在も撮影進行中だが、現場は“何をやってもいい”という空気だそうで、満島は「現場で生まれた芝居を試したり、出演者みんなでふざけ合ったり」と楽しんでいる様子。劇中で取り上げられる『夢であいましょう』を観て満島は、「今では想像できないくらい自由。今だと何かするとすぐ怒られたり、弱い者いじめされる。そういうことがない時代だからこその自由さ。戦争というものを体験してきた世代の強みだと思います。あれ以上に大変なことはないから、楽しく生きて行こうという。何でも明るくユーモアに変えられるパワーを感じます。その時代の人になった気持ちで、今の時代を乗り切ってみようと思います」と目を輝かせた。
土曜ドラマ『トットてれび』はNHK総合にて4月30日より毎週土曜20時15分~放送。連続7回。