昔は目がよかったのに、最近目が悪くなった、という大人の皆さん、その原因は何だと思うだろうか。老眼は年齢の変化とともに生じることなのでここではさておき、今回は近視について考えたいと思う。
■仮説1:テレビの影響
話を聞いたのは、横浜相鉄ビル眼科医院院長、大高功先生。まずは近視の要因として、子供の頃から言われてきたこと、「テレビを見すぎると目が悪くなるわよ」や「テレビを近くで見ると目が疲れるからダメ」などがあるが、若者のテレビ離れが進む中、いまだテレビを見ている大人の皆さんにはこれが当てはまるのだろうか。
「医学的には、テレビを近くで見ると裸眼視力が低下します。すなわち、近視化します。人間には近視になりやすくなる法則がいくつかあります」(大高先生)
やはりテレビを近くで見ると視力が落ちるのは、今も昔も変わらないようだ。大高先生は、次の項目にあてはまる目の使い方が近視化を招きやすいと教えてくれた。
・近くのものを長時間見る
「テレビがブラウン管から液晶へ移ったことによる近視化への影響はないと考えます。ですが、画面が圧倒的に大きくなったことで、子供が近くで見ることが減りました。そういう面ではむしろ近視化しづらくなった、とも言えるかもしれません」(大高先生)
テレビがいくら高性能化し、画面が鮮明になっても、人間の視力低下に影響を及ぼさないわけではない。「何を見るか」と同じ位「どのような見方をするか」が視力を左右する重要な要素になるのだ。
■仮説2:「小さくて光る」電子機器の影響
大人になるにつれ視力が低下した人は、知らず知らずのうちに上記のような目の使い方をしている可能性がある。大高先生は、近視になりやすいポイントのすべてが当てはまる行為として、日常的な「あの行為」を指摘した……。
「小さい光り物を真剣に近くで見る、というのが一番の近視化要因となります。スマートフォン、パソコン、テレビゲーム、携帯ゲームといったところが大人の視力低下の一番の原因でしょう」(大高先生)
周りを見渡してみれば、「小さくて光る」電子機器が非常に多い。確かにこれらの使いすぎ、見過ぎが視力の低下の一端を担っていることは間違いないだろう。
■近視化を防ぐ方法
近視化の要因はスマートフォン、パソコン、テレビゲーム、携帯ゲームであることが分かったが、小型電子機器が全盛の今の時代、視力低下を防止するのに有効な手立てはあるのだろうか。
「近くを見ている状態で眼のピントがロックされていると、近視が進行すると考えられます。特にパソコンやスマホを見る時は、3分に1回ぐらいは必ず遠くを見るようおすすめします。遠くといっても、3mぐらい離れていれば十分です」(大高先生)
適度な距離を保ってテレビを見る。そして目を酷使しないよう、数分に一度は遠くを眺めてみる。目が近視化する法則を理解し、目の使い方に注意すれば、視力の低下を防ぐことができるという。
いざ生活の中で実践しようとも、情報に没頭しているとつい忘れてしまいがち。スマートフォンの中で世界がどんどん広がる時代だが、近視になる前に意識して目を労わってほしい。
「教えて!goo」では、「メガネやコンタクト利用者の皆さんに質問。目が悪くなった原因は何にあると思いますか?」ということでみんなの意見を募集中だ。
● 専門家プロフィール:大高 功(おおたか いさお)
教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)